研究課題/領域番号 |
17650019
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計算機システム・ネットワーク
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大橋 勝文 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (00381153)
|
研究分担者 |
三木 一司 独立行政法人物資・材料研究機構, ナノマテリアル研究所, ディレクター (30354335)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | 分子コンピュータ / 光応答性分子 / 石英光学マイクロセル / 数理モデル / 並列演算 / フェロモン / 交通システム / 渋滞状況 / アスペクト比 / 社会システム |
研究概要 |
光応答性物質を入れた光学セルを二次元的に配置した光応答性分子二次元配置素子を演算素子として、複数の入力情報を画像の形で演算素子に照射することで、並列処理を行う並列演算分子コンピュータの開発を進めた。この計算装置の開発は、ハードウェアとソフトウェアの両面から開発を行った。 ハードウェアに関する研究は、昨年度に開発した深さ100μmのマイクロセルを数万個並べた光学マルチセルに光応答性分子を入れた状態で、照射した情報が光学マルチセルに蓄積されることを確認した。しかも、本コンピューティングでは光応答性分子を溶媒に溶かした溶液を使用しているため、溶媒の蒸発が一つの問題であったが、光学マルチセルを新規に開発した透明の容器に入れて使用することで、問題を解決することができた。 ソフトウェアに関する研究は、蟻などの昆虫がフェロモンと呼ばれる情報伝達物質を用いて複雑な社会を形成している点に注目し、その情報伝達物質による人工知能的なアルゴリズムを本研究課題の分子コンピュータに組み入れる手法の開発を進めている。例えば、光学マルチセルをマップ、移動する車の位置を光照射位置として、信号を含む道路交通網をシミュレートする。その結果、光応答性分子が濃く変色する部分が渋滞位置として現れる。この手法を用いることで、道路上の車の渋滞状況を光応答性分子の色の濃さとして数値化することができた。渋滞度を数値化することで、道路交通の状況を変えた場合の渋滞度を比較することで、最適な交通制御を導き出せるシステムを開発した。また、蟻が索餌行動で分泌するフェロモンを光応答性分子に、蟻の位置を光照射位置とみなし、色の濃い光応答性分子の位置に照射光が引き寄せられるアルゴリズムを加えることで経路探索を行うアルゴリズムの構築を、本提案の分子コンピュータの動作をシミュレーションにより進めた。
|