研究概要 |
本研究は,知識コミュニティヘの「参加の軌跡」を提示することで各メンバの持つ知識や専門性の違いの把握を助け,そこから認識される「義務感」や「期待感」に基づいてメンバからの「貢献」を促進することにより,新たな協同の機会の発見や創出を促し,持続的な知識コミュニティを構築することを目指すものである. 本年度は,昨年度に構築した,義務感と期待感とがどのように培われコミュニティとの関わり方を決める際にどのようなソーシャルキャピタルとしての役割を果たすのかについてのモデルと,それに基づく可視化手法を,実際のコミュニティ活動の履歴から得られるデータに適用し,アプローチの検証をおこなった. 特に,ソフトウェア開発プロジェクトを知識コミュニティとみなし,持続的な知識コミュニティを可能とするような,作業履歴の多元的インタラクティブ可視化をおこなった.ソフトウェア開発プロジェクトを,アーティファクト,コミュニティメンバー,コミュニティ,という三つから成る知識の生態系とみなすことで,コミュニティメンバーに持続的参加を促すような作業履歴の要素を同定することができた.
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