研究概要 |
本研究ではヒト型や多脚式のロボットなどこれまで運動優位特性を持たなかったロボットに対して,「利き」を与えることによる動作行動の有効性を明らかにすることを目標とする.このために動作パターンのモーションキャプチャによる計測,運動優位特性の定量的な解析,「非利き部位」に対する動作習得アルゴリズムの検討,さらに,実ロボットによる動作適用への影響と検証を段階的に進める. 本年度は,前年度に引き続き,5放射相称形状の小型ヒトデ型5脚ロボットの優位進行方向に対する脚関節位相差および歩容パターンを遺伝アルゴリズムにより獲得した.また,各脚6モジュール,全5脚から構成されるクモヒトデ型モジュールロボットに関して,セルオートマトン格子のセルとして、ロボットモジュールをとらえることで優位動作ルールの獲得を行った.セルの接続構成とルールテーブルの違いに対して脚非連携モデル、脚連携モデル、共進化モデル3つの制御モデルの検討を行い,有効な動作ルールテーブルの検証を行った. また沖縄のカチャーシーを題材に,踊り手が観察者に対して特定の印象を与えるために創作した舞踏動作から運動特性を抽出し,与える印象と受ける印象とで,運動特性に違いがあるか比較し,印象と運動特性との関連性の調査を進めた.踊り手がイメージする明るいイメージの踊り及び暗いイメージの踊りに関して,その印象に関連する運動特性は,手先軌道から抽出した動作パターンにより,その特徴の一端を知る事ができた.
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