研究課題
萌芽研究
本研究において我々は、主にノイラミニダーゼ消化物あるいはα2,3-sialidase消化物をMonoQカラムで分取後、それぞれの分画に対して2D-HPLC解析(3D-HPLC)を行った。これらの解析結果を比較すると、酵素によって消化され中性糖鎖画分に移行したα2,3結合のシアル酸を有するN結合型糖鎖を同定することができ、そのほとんどがtype2型のN結合型糖鎖である事がわかった。次にα2,3-sialidase消化で切断されなかった糖鎖をMonoQカラムにて分画し、2D-HPLC糖鎖解析を行うと、この分画には、typel型(Galβ 1-3GlcNAc-)のN結合型糖鎖が多く含まれていた。さらに大脳皮質の発達過程におけるこれらの糖鎖の発現解析を行った結果、発生初期には発現が見られないがE16日から発現し、成長に従って増加することを確認した。一方、発達過程における大脳皮質の遺伝子解析の結果からもType1構造を合成する糖転移酵素であるβ 1,3-Galactosyltransferase遺伝子群も生後に強く発現し、胎生期ではほとんど確認できなかった。またこれらの糖鎖はSambucus nigra agglutinin(SNA)レクチンカラムには吸着されなかったことから、それら糖鎖がNeu5Ac α2-6Gal構造を有する糖鎖であることは否定された。以上の結果からシアル酸が末端ガラクトースではなくN-アセチルグルコサミンにα2,6結合している糖鎖であると予想している。現在、その予想を証明するためシアル酸が付加している状態で分取し、質量分析機器を用いこれらの糖鎖構造の同定を試みている。
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