研究課題/領域番号 |
17650114
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
八木 淳一 杏林大学, 医学部, 講師 (90265760)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 痛覚 / 侵害受容 / パッチクランプ記録 / 後根神経節 / 酸感受性イオンチャネル |
研究概要 |
本萌芽研究では、感覚神経における侵害情報の受容と符号化のメカニズムを「生体のレベル」で解明することを目的とし、ラットのin vivo標本で脊髄後根神経節(DRG)ニューロンからホールセルパッチクランプ記録を行う新規の技法の開発を進めてきた。初期段階として、皮膚を支配するDRGニューロンからの記録法を確立し、さらに記録の成功率と安定性を向上させべく改良を加えた(「全動物標本による後根神経節ニューロンパッチクランプ法」,真興交易医書,2006)。これにより、皮膚を支配する小型DRGニューロンは、熱、冷却、機械刺激などの多様な侵害刺激に対する応答特性の違いから少なくとも10種類以上に分類され、受容と符号化の機能素子となるイオンチャネルの発現パターンがそれぞれ異なることが明かとなった(論文執筆中)。第二段階として、骨格筋(腓腹筋)を支配するDRGニューロンを対象とする記録法を開発した。筋組織(骨格筋、心筋)が虚血に陥ると強い痛みを感ずる。この痛みの発生機序について、「酸感受性イオンチャネル3(ASIC3)を高密度に発現する侵害受容性DRGニューロンが、虚血による組織酸性化を感知して興奮を起こす。」との仮説を立てた。現在、骨格筋を支配するDRGニューロンにおいてASIC3の発現レベルと虚血時の応答様式を解析することにより、上記の仮説の検証を始めている。将来、この技法をさらに心臓、消化器官などの臓器を支配する感覚神経の記録法へと拡張し、受容体・イオンチャネルの分子レベルでの働きと感覚神経の受容野応答特性を統合的に解析することで、狭心症の痛み、胃痛などの内臓痛の発生機序の解明を目指したい。
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