研究課題/領域番号 |
17650134
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
佐野 庸治 広島大学, 大学院工学研究科, 教授 (80251974)
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研究分担者 |
近江 靖則 広島大学, 大学院工学研究科, 助手 (50313713)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | リン酸カルシウム / 界面活性剤 / メソ多孔体 / 無機多孔体 / 混合溶媒 / ラメラ構造 / メソ構造体 |
研究概要 |
リン酸カルシウム系のバイオセラミックスは生体医用材料として期待されており世界各国で精力的に研究されている。中でもハイドロキシアパタイトは生体親和性が極めてよく、人工骨、人工歯、人工歯根等の硬組織代替材料として実用化されつつある。焼結体の圧縮強度、引っ張り強度は、骨や歯に比較して、数倍大きいが、動的あるいは急激なねじれには弱くもろい材料であるため、柔軟性が要求される箇所への応用にはまだ課題が残されている。そのため、気孔内部での血管や細胞の進入・増殖が期待されるハイドロキシアパタイトの多孔質化が実現できれば、骨代替材料のみならず柔軟な組織をも代替できる生体医用材料への応用も可能となる。本研究では、バイオサーファクタントなどの界面活性剤を鋳型として用いる方法により、リン酸カルシウム系のバイオセラミックスの多孔質化と有機成分との複合化による高生体親和性医用材料の創製を目的とした。界面活性剤としてヘキサデシルトリメチルアミンを用いて、生体適合性を有するリン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムの多孔質化を試みた。その結果、ラメラ構造を有するリン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムメソ構造体の合成に初めて成功した。ベシクルを形成する界面活性剤であるジェミニ型界面活性剤を用いたリン酸カルシウムのメソ構造体の形成について検討した結果、構造に歪みを持ったラメラ構造を有するリン酸カルシウムメソ構造体に成功した。これらの結果より、リン酸カルシウムまたはリン酸マグネシウムと界面活性剤との相互作用を緻密に制御し、結晶性物質の生成を抑制するかが重要であることを明らかにした。また、このことはバイオサーファクタントとリン酸カルシウムとの相互作用を制御することにより、多孔体の合成が可能であることを示唆する結果である。
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