研究課題/領域番号 |
17650147
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用システム
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
椎名 毅 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (40192603)
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研究分担者 |
山川 誠 京都大学, 大学院・工学研究科, 特任准教授 (60344876)
植野 映 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (90150614)
新田 尚隆 (独)産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 研究員 (60392643)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2007年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 超音波計測 / がん診断 / 組織性状診断 / 三次元計測 / 顕微鏡 / 組織粘弾性 / ナノメディスン |
研究概要 |
組織の質的な変化を捉える組織性状診断は、組織形態の病変が顕在化する前の早期診断や良悪性の鑑別診断を可能とするものとして重要視されている。その中でも、組織の硬さは、癌、肝硬変、動脈硬化症などの病態を敏感に反映することから、近年、腫瘍の検出精度の向上や進行度の診断などを目的として、超音波により組織弾性を画像化する組織弾性イメージングが実用化された。一方、疾病の進行度の把握や、良悪性鑑別等のためには、組織の粘弾性の変化の病理学的な意味付けが重要となるが、そのような疾病との対応を定量的に把握できるデータは皆無に近い。 本研究では、我々がこれまでの研究で開発したin vivoでの体内臓器の歪み分布やヤング率を得る手法や、ヒステリシス特性に基づき粘弾性に関するパラメータの抽出する手法を用いて、自動的に組織切片の圧迫・弛緩を行う装置と、専用の高周波超音波トランスデューサを用いたシステム、さらにデータ解析のアルゴリズムの開発を通じて、三次元超音波エラストマイクロスコープの開発を行う。 本年度は、前年度までの基礎実験システムによる検討結果をもとに、有限要素法等を用いて実験システムを忠実に再現したシミュレーターを構築した。これにより、ビーム形状や超音波パルス形状、弾性像の空間分解能を向上させるためのフィルタ等のパラメータの最適値について検討した。 次に、上記の結果を反映したシステムの改良を行い、ファントムにより空間分解能、粘弾性パラメータの精度などについて評価した。 また、組織切片を用いて、組織の粘弾性における温度依存性、繰り返し計測による履歴性などについて詳細に検討し、併せて、既設の機械的な圧縮試験装置を用いて得られるマクロな特性値との比較検討を行った。最後に、これらの検討結果と実用化に向けての課題を整理し本研究の取り纏めを行った。
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