研究課題/領域番号 |
17650148
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用システム
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
三輪 全三 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (30157705)
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研究分担者 |
高谷 節雄 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (40154786)
大内 克洋 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (20322084)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 透過型光電脈波法 / 発光ダイオード / 歯髄血流測定 / 非侵襲的測定法 / ヘモグロビン濃度 / 酸素飽和度 |
研究概要 |
本研究の目的は、現在歯科臨床で使用されている電気刺激法やレーザードプラー法とは異なる、発光ダイオード(LED)とフォトダイオード(PD)を使用した透過型光電脈波法(Transmitted-Light Ple-thysmography ; TLP)により、非侵襲・客観的に歯髄の血流量、Hb濃度さらに酸素飽和度(S02)を測定でき、これにより歯髄の生死だけでなく病態まで診断できるような全く新しい歯髄診断器(硬組織内血流測定器)開発のための基礎理論を確立することである。今年度(平成18年度)は、ヒト抜去歯を用いた実験モデルを構築し、歯質および血液を透過する際の光学的特性をin vitroにて検証した。 実験方法は、467nm(青)、506nm(青緑)、522nm(緑)、810nm(近赤外)の多波長のLEDを順次に時間差を持って発光させ、発光部および受光部がパルス同期化していることで外光の影響を受けない透過型光電脈波測定装置を設計試作し実験に使用した。Hb濃度を変化させたブタ血液および生理的食塩水を抜去歯に満たして、4波長LEDの透過光のOD値(Optical Density)を求めた。 実験結果は、等吸収波長である506nm、522nm、810mmではOD値とHb濃度は2.5g/DLまでは高感度に比例し、この濃度範囲において計算上は、歯髄内血液量(濃度)を推測できることになる。一方、非等吸収波長である467nmにおいてのみ血液を満たした抜去歯のOD値がS02に影響されることがわかり、またin vivoでの歯髄脈波振幅(AC/DC)の変化も810nm、506nm、522nmの波長での歯髄脈波振幅の相対的変化は被験者によって差はないが、467nmにおいてのみ被験者によって異なることから467nmを使用して歯髄内血液の酸素飽和度を推測できる可能性が示唆された。 本研究により波長による歯質での光透過特性や歯髄腔に血液が存在する時の光吸収散乱特性が明らかになり、生体における歯髄血液の微小循環を定量測定できる可能性が示唆されたため、「歯髄腔内血液測定方法、装置及び歯髄腔内血液測定用アダプタ」の名称で2006年6月に特許PCT出願を行った。
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