研究課題/領域番号 |
17650193
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
スポーツ科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石田 浩司 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (50193321)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | パッシブ体操 / 呼吸・循環応答 / 寝たきり老人 / 受動的運動 / 関節可動域 / 生活の質 / 介護 / 不活動 / 換気応答 / 心拍応答 / 運動頻度 / 高齢者 |
研究概要 |
受動的運動により呼吸・循環機能が一過性に亢進することを利用し、寝たきり老人に受動的運動を実施することで、身体諸機能の改善や生活の質の向上が見られるかどうかを明らかにするため、介護施設を併設した病院の支援を受け、寝たきり老人に四肢の6部位を20秒間受動的に動かす「パッシブ・リズミック・エクササイズ(パッシブ体操)」を1日3セット週3日8週間実施した。動作頻度は前年の研究成果と安全性を考慮し、1秒/回(60rpm)を用いることとし、被検者の様子や意見をもとに無理のないレベルで行った。被検者は脳梗塞や感染症などにより寝たきり状態で、現在リハビリとして立ち上がり訓練などを行っている70才前半〜80才前半の男性1名と女性2名であり、本人及び家族に同意を得た後、実験を実施した。身体諸機能の指標として握力、肺活量、反応時間、関節角度可動域を、また、ストレスホルモン(アドレナリン、コルチゾール等)と脳内覚醒物質(セロトニン、ドーパミン)及び感情・気分のプロフィールテスト(POMS)を8週間の体操実施前後に測定した。さらに本人及び介護士からみた日常生活の改善程度をアンケート調査した。その結果、関節可動域は多くの部位で改善され、日常生活の動作が改善され、精神的な落ち着きと前向きな姿勢が見られるようになった。一方で寝たきりによる筋力や肺機能の低下傾向を抑制することはできなかった。今回の結果は比較群を設けていないため、パッシブ体操単独の効果だけでなく、日ごろのリハビリや介護の成果を合わせた結果であるが、体操を実施していない場合に比べてより改善がみられるとの介護士からの感想もあり、パッシブ体操が寝たきり老人の生活の質や動作の改善に役立つことが示唆された。なお、詳しい結果は代表者のホームページに公表している。 (http://hotai1.htc.nagoya-u.acjp./~ishida/)
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