研究課題
萌芽研究
昨年度組み立てた通電加熱用試料作製装置を使って、通電加熱の電流、電圧、周波数を変数として振った時の試料作製条件をつめた。試料作製セルの形状による試料の不均一性を、動的粘弾性測定により調べた。その結果、通電加熱法では、湯浴法に比べて、セル形状にかかわらず均一な試料ができることがわかった。また、通電加熱法や湯浴法において、加熱時間と温度上昇の関係を調べることにより、いずれの場合も、アルブミン変性に関係した昇温速度が変化するために生じたピークが観測された。今年度、別予算で購入した高感度粘弾性測定装置(コンパクトレオメータ)を用いて、低い粘性や弾性領域における卵白試試料の測定を試みた。その結果、比較的低い濃度の卵白ゾルからゲルへ変性過程を、温度や周波数などをパラメータとして観察することに成功した。変性過程では、剛性率の実部が大きく変化し、損失正接にピークが観測されることが確認された。さらに氷点以下の温度範囲など、パラメータ範囲を広げた測定が望まれる。通電加熱法と湯浴法によって作られた軽水と重水の両方のゲルについて、シンクロトロン光源によるX線小角散乱測定を行った。散乱データのクラッキープロットを行うことにより、これらのゲルは球状構造をとっていることが確かめられた。しかしながら、両製造方法の違いによる分子凝集構造の違いについては、マシンタイムの不足などから解明するに至らなかった。将来的に、佐賀シンクロトロン光研究センターのマシンタイムを得ることで、このことを定性的、定量的に明らかにできると考えている。
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