研究課題/領域番号 |
17650263
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育工学
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研究機関 | 東北福祉大学 |
研究代表者 |
大内 誠 東北福祉大学, 総合福祉学部, 准教授 (40326715)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | バーチャルリアリティ / 聴覚ディスプレイ / 頭部伝達関数 / HRTF / 視覚障害児 / 認知地図 / 信号処理 / 歩行訓練 |
研究概要 |
視覚から情報を得られない盲児は認知地図(頭の中でイメージする地図)の獲得が不得意である場合が多い。そのため白杖を用いた歩行訓練が十分になされたとしても未知の目的地への移動が難しい。そこで、本研究では、3次元音響技術を用いることによって、盲児が楽しみながら効率的に認知地図を修得でき、しかも実際に歩行する前にバーチャル空間内で模擬歩行ができる歩行訓練シミュレータの研究開発を行うにした。 平成17年度は、音のバーチャルリアリティを実現するための聴覚ディスプレイを開発後、それを応用した歩行訓練シミュレータを開発した。これを用いて4名の成人盲人に対して歩行訓練を行ったところ認知地図の形成が確認された。平成18年度は、シミュレータの改良、訓練コースウェアの開発、さらには訓練効果の定量的評価方法として触地図によるユークリッド回帰分析法を考案した。 本年度は、歩行訓練シミュレータの精度を高めるため、核となる聴覚ディスプレイのモーションセンサ制御ソフトウェアの改良を行った。また、本研究の有効性を確かめるために宮城県立盲学校の小学部児童1名(小6)と中学部生徒1名(中2)を被験者にして歩行訓練を実施した。 その結果、小学部の児童については、バーチャル迷路上のランドマーク(目印)を探索して触地図上に目印の模型を設置する課題が正確にできるようになった。一方、中学部の生徒には、複雑なバーチャル迷路を自由に探索歩行した後、板磁石と目印の模型を組み合わせて触地図を作らせた。これをユークリッド回帰分析法により分析したところ、ゆがみの少ない正確な地図であることが分かった。 以上の点から、本研究で開発した歩行訓練シミュレータ、ならびに訓練コースウェアは、盲人の認知地図形成に有効であることが明らかとなった。なお、年少の児童においては音の引喩によって形成されるバーチャル空間の構造が理解しにくいことも判明した。
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