研究課題/領域番号 |
17651017
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境影響評価・環境政策
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 和夫 東京大学, 環境安全研究センター, 教授 (60143393)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | コメットアッセイ / プラントアッセイ / 都市大気 / 環境影響評価 / バイオモニタリング / 環境質評価 |
研究概要 |
本年度は、まずこれまでに得られたバンコク市街地中心部6箇所におけるポトスを用いたバイオモニタリング結果と街路形態やスカイトレインと呼ばれる高架鉄道による道路覆蓋効果及び交通流等との関係を調べるため重回帰分析を行った。7日から10日程度の短期曝露試験において遺伝子損傷度の増加速度は沿道の曝露において、対照用のストックポトスに比べて有意に高い値を与え、その値をH/W(沿道建物高/街路幅)、時間当りの交通量、速度、及び覆蓋の有無などを説明変数として十分説明できる回帰式が得られた(決定係数0.81)。また回帰式より高架構造を除いた場合の遺伝子損傷速度の減少は15〜20%見込めることがわかった。また、平均車速が早ければ(渋滞なくスムーズに流れれば)、影響が緩和されることも示された。さらに市街地のラーマ6世通り沿いにおける自生植物(パンヤ科ワタノキ属の高木、ミカン科アワダン属の低木、ラン科シュンラン属の草木)を用いたパッシヴモニタリング及び郊外のカセサート大学構内におけるポトスを用いたアクティヴモニタリングを実施した。郊外においても沿道環境において有意に損傷度が大きい分布が得られた。また、対照サンプルが無い自生植物については長期間の影響についての推測の域を出ないが、排気ガスが希釈される高所におけるサンプルは排出源に近いサンプルより損傷度は低かった。前年度基礎実験で用いたアイビーが現地で調達できなかったこと、染色液をより発がん性の低いものに変更したことによるプロトコールの確認、画像データの取り込みに関する確認などに手間取り、損傷度の回復に関する定量的検討が不十分で、そのモデル化には至らなかった。以上得られた結果をもとに現在論文を準備中である。
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