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原子間力顕微鏡を用いたナノ粒子の細胞への取り込みに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17651033
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 放射線・化学物質影響科学
研究機関独立行政法人国立環境研究所

研究代表者

菅野 さな枝  独立行政法人国立環境研究所, 環境リスク研究センター, NIESポスドクフェロー (50391090)

研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワード原子間力顕微鏡 / ナノ粒子 / マクロファージ / 肺表面層 / 自動車排気ガス
研究概要

ナノ粒子の主成分は元素状炭素と高級アルカンなどの有機炭素からなることが、報告されている。本研究において、模擬的肺表面層の作成を行い、自動車排気ガスに多く含有されるアルカン成分の肺表面層への影響を、肺表面圧測定装置、及び原子間力顕微鏡を用いて分析を行った。肺表面は、1,2-dipalmitoyl-sn-glycero-3-phosphocholine(DPPC)を主成分とする肺界面活性物質に覆われていることが知られている。そこで、肺表面層の模擬的モデルとして、Langumuir-Blodgett(LB)法にてDPPCの展開単分子膜を作成した。DPPCの展開単分子膜をマイカ上に積層し、膜の形状を原子間力顕微鏡を用いて観察した結果、厚さ1〜2ナノメートルの単分子膜を作成できたことより、模擬的な肺表面層モデルとして実験に使えることを確認した。次に、自動車排気ガスに多く含有されるアルカンをDPPCのクロロホルム溶液に溶解させ、表面積-圧曲線を表面圧測定装置にて測定した。その結果、アルカンを添加することによって、DPPCだけでは見られない相転移の現象が見られた。この相転移はアルカンの濃度を増加させると、より低い表面圧で起こっていた。また、その形状を原子間力顕微鏡にて観察した結果、トローフの面積圧縮により、広がっていたアルカンの凝集体が次第に集まり、相転移後は凝集体としてではなく、一面に溶けたような面として存在することがわかった。形状像の解析の結果、約2ナノメートルの厚さであった単分子膜は、相転移後には約1.5ナノメートルの厚さに変化したことがわかった。
マウスから採取した肺サーファクタント成分では、アルカンの添加により、単分子膜の圧縮性が増加した。以上の結果より、アルカンが肺表面膜の安定性を減少させることが明かとなった。排気ガス中に含有されるアルカンが、肺表面層に沈着したときに、肺表面層の表面張力を変化させることにより、肺の機能を損なう可能性が示唆された。

報告書

(2件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] A Murine Scavenger Receptor MARCO Recognizes Polystyrene Nanoparticles

    • 著者名/発表者名
      菅野 さな枝
    • 雑誌名

      Toxicological Sciense (in press)

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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