研究課題/領域番号 |
17651041
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境技術・環境材料
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
矢木 修身 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40132865)
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研究分担者 |
栗栖 太 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (30312979)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2005年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | アンモニア酸化細菌 / 活性汚泥 / 下水処理 / Nitrosomonas oligotropha / DGGE |
研究概要 |
活性汚泥中のアンモニア酸化細菌を分子生物学的な手法で解析するため、まず、活性汚泥からのDNA抽出方法について検討した。アンモニア酸化細菌は活性汚泥中に低い割合でしか存在しないため、従来用いられている手法では十分といえない可能性がある。本研究では、ビーズを用いた物理的破砕法がアンモニア酸化細菌のDNA抽出には最も優れていることがわかった。次に、東京都内8箇所12系列の下水処理プロセスより活性汚泥を採取し、アンモニア酸化細菌に特異的なプライマーを用いてPCR-DGGE法により解析を行った。その結果、全ての処理プロセスでNitrosomonas oligotropha cluster 6aに属する細菌が優占であることが明らかになった。しかし、次に多くを占める細菌群には処理プロセスごとの特徴が見られた。N.communis類縁の細菌は、主として嫌気工程を含むプロセス、すなわち嫌気好気法および嫌気無酸素好気法のプロセスでのみ出現しており、プロセス中の酸素条件に依存している可能性が示された。また、N.europaea類縁の細菌は流入アンモニア濃度が比較的高く、かつ塩化物イオン濃度が2倍である処理場でのみ検出された。N.europaeaはこれまでアンモニア酸化細菌の代表的菌種として研究が行われてきたが、高アンモニア濃度条件でのみ存在しうることが近年示されてきつつあり、本研究でも他のアンモニア酸化細菌種の重要性が改めて示されたこととなった。 なお、本研究課題は年度の途中に追加で決定され交付されたものであり、研究期間が半年と限られていた。そのため、研究計画調書の研究課題のうち絶対的な時間を要するアンモニア酸化細菌の分離培養については、純化を進めるのみにとどまり、純粋分離には至らなかった。今後更なる研究を継続していく必要がある。
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