研究分担者 |
都築 和代 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, グループリーダ (70222221)
澤田 章 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 研究員 (00371047)
加藤 信介 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00142240)
大岡 龍三 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (90251470)
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研究概要 |
衣服内の微小空間の換気を測る場合,衣服内のトレーサガス濃度を瞬時一様拡散させることは困難である.そこで,人体を単純な円筒で模擬し,衣服の通気性のために開口部から離れるほどトレーサガス濃度が減衰していくことを踏まえ,ガス発生量と濃度分布の計測から換気量と衣服内の気流を推定するモデルを提案した. このモデルの妥当性を検証するため,トレーサガス発生装置としてチューブ側面から微量・均一にトレーサガスを発生する装置を,シリコンチューブと多孔チューブを用いて作成した.発熱円筒5mmの衣服内空間をとって布地を巻き、気流が一様な風洞内に設置,衣服内空間の下側においてこのガス発生装置によりトレーサガスを発生させ,衣服内の多点でエアをサンプリング,その結果から換気量と衣服内空間の上昇気流を推定した.発熱が多い場合に衣服内空間の上昇気流が早くなり,また、風洞の風速が早いほど衣服内空間の換気が大きくなった.風洞内の風速が35cm/sの微風速条件では,風洞内の風が強くなり衣服内空間が冷えやすい場合に衣服内空間の上昇気流が遅くなる妥当な結果が得られたが,風洞内の風速が35cm/sより大きくなると,冷えやすい条件にも拘わらず衣服内空間の上昇気流が早くなり,温度差による熱対流では説明の出来ない結果となった.衣服内空間における空気の乱れの影響と考えられる.この乱れを踏まえて,換気量と衣服内の気流を推定するモデルの適用範囲を明らかにすることが課題として残った.
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