研究課題/領域番号 |
17651101
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
自然災害科学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
多田 卓 東京理科大学, 工学部, 助手 (40349840)
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研究分担者 |
篠崎 祐三 東京理科大学, 工学部, 教授 (80026236)
長 郁夫 (独)産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 研究員 (10328560)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 常時微動 / 地盤探査 / アレイ観測 / 表面波 / レイリー波 / ラブ波 |
研究概要 |
常時微動とは、波浪・大気擾乱などの自然現象や人間活動によって、地震時以外にもつねに生じている地盤の微小な振動のことをいい、微動探査法とは、地表面で得られた常時微動の計測記録を利用し、地盤を伝わる表面波の特性を評価するための諸手法の総称である。微動探査の有力手法の一つである「空間自己相関法(SPAC法)」は、円周上の等間隔の数点および中心点に地震計を設置して常時微動の同時測定(アレイ観測)を行い、その記録の解析により表面波の位相速度分散曲線を推定するもので、地盤構造を間接的に推定する目的のために広く用いられている。 本研究ではSPAC法に関する既存の諸理論を整理して統一的な枠組みで記述するとともに、これを拡張・一般化し、きわめて普遍性の高い、新しい微動探査法理論の枠組みを構築した。この一般理論によれば、円形アレイを用いた微動探査法としてはSPAC法以外にも、さらに多種多様な代替手法が考案可能である。 今年度はこれらの新しい代替諸手法がそれぞれどの程度の実用性を有するかを探るため、野外で取得した微動実測データへの適用を重点的に行った。地盤構造がすでに知られている複数の地点で、SPAC法を含めた合計5種類の手法によりレイリー波の位相速度分散曲線を推定した結果、我々が「中心なし円形アレイ法(CCA法)」と名づけた新手法、および仮に「V法」と名づけているこれの変種が、最も広い波長帯域にわたって高い解析精度を有することがわかった。これら2手法の適用可能な波長範囲は、上限がアレイ半径の数10〜100倍程度、下限が3倍程度と、その広さにおいてSPAC法(およそ2倍から10倍)をはるかに凌駕しているため、今後の普及が強く望まれる。 また、微動アレイ記録中に含まれるノイズの影響をしかるべく補正すれば、CCA法・V法の適用可能な波長範囲の上限は、さらに大幅に伸びる可能性のあることが示された。
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