研究概要 |
昨年に引き続き,哺乳類からホヤ,ナメクジウオまでのDNAを用いて,miR-122をコードする遺伝子有無を検討した.哺乳類から軟骨魚類であるイヌザメまでのゲノムにmiR-122の前駆体配列を確認した.しかし,組織学的にもヒトやサメの肝臓と極めて類似した肝臓を持つヤツメウナギあるいはヌタウナギには存在しなかった.すなわち,肝臓特異的とされているmiR-122は,肝臓の進化の途中で獲得された遺伝子であることが示唆された.これらの円口類から顎をもった生物が進化する時期には,例えばヘモグロビンが多量体を構成するようになったことなどが知られている.現在,軟骨魚類では最も古いとされるギンザメの遺伝子を解析している.同時に,イヌザメとヌタウナギの肝臓機能の違いを文献を含めて検討しながら,miR-122の標的配列をもつmRNA群を比較している.
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