研究課題/領域番号 |
17651107
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎ゲノム科学
|
研究機関 | ヤマザキ動物看護短期大学 |
研究代表者 |
小黒 美枝子 ヤマザキ動物看護短期大学, 動物看護学科, 教授 (20160830)
|
研究分担者 |
山崎 薫 ヤマザキ動物看護短期大学, 動物看護学科, 教授 (60389913)
岡野 桂樹 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (40147070)
本田 三緒子 ヤマザキ動物看護短期大学, 動物看護学科, 講師 (80413136)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 秋田犬 / 血統図 / 毛色 / mc1r遺伝子 / ゲノム / STR多型 / 分子生物学 / 遺伝子 / ミトコンドリア / DNA / Mclr |
研究概要 |
犬は、寿命が十数年と人に比べて短く、純粋種の確立、血統保存が繁殖家により継続的に行われている。ゲノム解読も完了し、犬と他の生物種とのゲノム間比較ができ、犬は現在、哺乳類遺伝研究を行う上で、大きな利点をもつ。 家庭犬はマウスと異なり、倫理的な問題を含め、実験的交配が中々困難である。その為、臨床獣医学的(形態的・遺伝的)特徴、遺伝子配列情報、STR多型情報を含む統合的な血統図は、遺伝的な解析にとって極めて重要である。 本研究の目的は秋田犬を用いて統合的血統図を作成し、将来有用な遺伝的解析の為のモデルシスラムを構築することである。まず、遺伝的背景を示す臨床獣医学的に重要な表現型として毛色に注目した。毛色の色素型(ユーメラニン、フェオメラニン)の転換は、マウス他とは異なる点も多い。秋田犬の毛色は多様で赤、白、虎、胡麻、斑が代表的である。 容易に区別ができ、遺伝関係が単純と推測された白に焦点を絞り、白を約28%(7/25)有すモデル家系について詳しく解析した。ミトコンドリアD-ループのDNA配列を決定し、母性遺伝の血縁関係を確認した。毛色に関連する遺伝子(mc1r,agouti遺伝子)のゲノム配列、およびSTR多型を明らかにした。 その結果、第5染色体に座位するmc1r遺伝子のSNP(R306ter変異)が西洋タイプの犬とは異なり、秋田犬では白の毛色の決定要因であった。白と連鎖するSTRマーカー同定ができた。さらに、情報のデータベース化を試み、形態的、遺伝子情報、STR多型情報を家系図内に含有した管理統合的な犬情報プログラムソフトウエアを完成し、将来的には、形態的特徴、遺伝性疾患、行動特性などについても必要に応じて体系的に解明できる道筋を拓く事ができた。 また、犬と人のゲノム情報比較により、犬における新知見は、犬の健康、繁殖の効率化に留まらず人の健康にも多大の恩恵を与えると期待される。
|