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インドール酢酸(IAA)複合体の生合成・分解を化学的にノッアウトする

研究課題

研究課題/領域番号 17651124
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 生物分子科学
研究機関京都大学

研究代表者

平竹 潤  京都大学, 化学研究所, 助教授 (80199075)

研究分担者 水谷 正治  京都大学, 化学研究所, 助手 (60303898)
研究期間 (年度) 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2005年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
キーワードインドール酢酸 / アミノ酸複合体 / IAA-aa合成酵素 / IAA-aa加水分解酵素 / アデニル化中間体 / 中間体アナログ阻害剤 / ホスフィン酸遷移状態アナログ / 化学的ノックアウト
研究概要

本研究は、オーキシン(インドール酢酸、IAA)のホメオスタシスに重要な役割を果たしていると思われる、インドール酢酸-アミノ酸複合体(IAA-aa)の合成酵素および加水分解酵素の特異的阻害剤を設計・合成し、遺伝子ノックアウトの代わりに、阻害剤によって化学的に酵素活性をノックアウトするような化合物を開発することを目的としたものである。オーキシン早期誘導遺伝子のGH3ファミリーの一群が、IAA-aa合成酵素ではないかとの予測をふまえ、その推定反応機構にもとづき、IAAのアデニル化中間体のアナログとして、IAAのスルファモイルアデノシン誘導体(IAA-SA)を合成した。さらに、天然および人工オーキシンであるフェニル酢酸、ナフタレン-1-酢酸、2,4-DそれぞれのSA誘導体(PA-SA,NAA-SA,2,4-D-SA)を合成した。得られた化合物は、大腸菌で発現させたGH3-5およびGH3-6に対する阻害活性を測定した。その結果、いずれの化合物も、GH3-5およびGH3-6を両方とも阻害する強い活性を示し、特に、PA-SAはIC_<50>値にして3μM以下の強い阻害活性を示した。これら一連のSA誘導体を培地に溶かし、シロイヌナズナの幼植物体を培養したところ、2,4-D-SAが1μMの低濃度で、根の著しい形態変化を引き起こすことがわかった。これは、IAA過剰時に見られる異常発根(adventitious rooting)に酷似しており、化合物が植物体に取り込まれ、GH-3を阻害することによってオーキシンのホメオスタシスに影響を与えている可能性が強く示唆された。
一方、IAA-aa加水分解酵素についての知見はきわめて乏しいが、IAA-aa添加によってIAA過剰症が出ない変異体の解析から、IAR3,ILR1,ILL2などの遺伝子が見いだされ、それが金属プロテアーゼの一種であるとの知見をもとに、アミノ酸部分の構造の異なるIAAホスフィン酸誘導体5種類を合成した。ホスフィン酸誘導体は、濃度依存的にILR1を阻害することが判明し、合成した化合物が、少なくとも、IAA-aa加水分解酵素の障害剤として機能することが確かめられた。
以上のように、酵素の推定反応機構を唯一の手がかりに、反応機構依存的に設計したオーキシンのSA誘導体および、IAAホスフィン酸誘導体が、予想通り、IAA-aa合成酵素および加水分解酵素の阻害剤として機能し、特に、SA誘導体はin vivoでも活性を示す、化学ノックアウト剤として有望な化合物であることがわかった。

報告書

(1件)
  • 2005 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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