研究課題/領域番号 |
17651136
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ジェンダー
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高橋 京子 大阪大学, 総合学術博物館, 助教授 (00140400)
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研究分担者 |
東 純一 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (30144463)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | ジェンダー / 和漢薬 / 循環器疾患 / 消化管 CYP3A4 / 腸内細菌 / )P-glycoprotein |
研究概要 |
【目標】生薬剤併用量の機械は増加しているため、その適正使用は、現代医学に通じる手法を用いて、裕子ウエイや有害性の根拠を明確にする必要がある。本研究では、(1)女性の閉経後に増加する心疾患発症に対する予防的応用の可能性を検討するため、これまで構築した病態モデル系の発症要因を検討した。(2)併用実践を目的として、消化管CYP3A4を介した薬物間相互作用の評価をヒト結腸癌由来培養細胞(Caco-2細胞)を用い、1α、25-dihydrixyvitamin D3(1α,25-(OH)2-D3)で処置することにより、従来の透過評価系にCYP3A4代謝能を加えた評価モデルを構築した。(3)CYP3A4だけでなくP-glycoprotein(P-gp)が発現しており。両者の基質特異性は類似していることから、本Caco-2細胞モデルを応用し、女性の服薬頻度の高い伝統薬や食品由来成分(植物エストロゲン類)のCYP3A4およびP-gpへの影響を総括的に解析した。 【成果1】心筋細胞の配列構造は、心臓機能の維持に必須である。ストレッチ刺激により形成された配列構造には、Rac1活性が重要であることを示唆した。一方、doxorubicin誘発心筋細胞毒性は、Nucear factor-activated T call 5(NFAT5)蛋白の低下と関連することを明らかにした。 【成果2】Caco-2細胞を用い、CYP3A4の発現および活性上昇が報告されていた1α、25-(OH)2-D3処置により、総括的解析モデルを構築した。従来法での、(1)ヒト組織由来株化細胞ではCYP3A4などの薬物代謝酵素活性が低く活性評価しない、(2)ラット由来材料は種差があり、典型的なヒトCYP3A4薬剤誘導剤のRifampicin(RFP)に反応しない。(3)酵素反応実験では経口剤でかつ長期間作用を評価できないなどの限界を克服した。すなわち、1α、25-(OH)2-D3惹起性CYP3A4誘導Caco-2細胞は、CYP3A4をmRNA・蛋白・活性レベルで測定でき、総括的解析が可能であった。これらの反応性は、1α、25-(OH)2-D3除去後96時間以内も安定しており、RFP処置による誘導反応も認められ、CYP3A4は活性、蛋白発現。mRNA発現の各レベルで再現できた。 【成果3】植物リグナン類のヒト腸内細菌最終代謝物であるEnterolactone, Enterodiol(1〜10μM)は、1α、25-(OH)2-D3惹起性CYP3A4誘導Caco-2細胞のCYP3A4のmRNA及び活性に影響しなかった。また、P-gp活性に対しても同様であった。一方、サプリメント市場で汎用されるクルクマ属生薬エキス(ウコン、ハルウコン、ガジュツ)は、CYP3A4蛋白分解を促進することにより、消化管CYP3A4活性を抑制する可能性があるが、本阻害作用に対するクルクミン(ウコン、ハルウコンの主要成分)の関与は低いことが示唆された。クルクマ属生薬エキス/クルクミンが異なる作用で、消化管P-gp介在分泌輸送を変化させることを明らかにし、併用薬物動態への影響を示唆した。生薬製剤は代替療法に使用されることから、適正使用のためには原材料生薬と主要成分での作用が異なる事への十分は注意が必要であることを喚起した。
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