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生命誕生をめぐる「語り」と道徳的思考-「不当な生」とその周辺事例を中心に-

研究課題

研究課題/領域番号 17652003
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 哲学・倫理学
研究機関熊本大学

研究代表者

八幡 英幸  熊本大学, 教育学部, 助教授 (70284718)

研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
キーワードwrongful life訴訟 / 出生 / 存在 / 優生思想 / 語り / 障害 / 生命倫理 / 生命誕生 / 道徳的思考 / Wrongful life訴訟 / 非同一性問題 / 人格影響的原理 / 非存在
研究概要

本年度は、主に次の二点について研究を行った。第一に、wrongful life訴訟など、出生をめぐる倫理的課題に関する理論的考察の深化。第二に、そうした課題を念頭に置きつつ物語論の視点を導入して行った、障害を持つ人の「語り」の収集である。
第一の課題については、wrongful life訴訟の核心をなす出生についての否定的評価は、そのような人の存在についての否定的評価を含意するのかという問題を中心に、これまでの議論を総括した(報告・論文「出生の評価と存在の価値」)。それによれば、D.パーフィットのような理論的立場からすると、出生の評価と存在の価値を区別することは可能であり、実際にそのような区別が要請される場面もある。しかし、あえてそのような区別をしないという立場も可能であり、優生思想への批判の多くはこの立場からなされている。ところが、このような区別をするかどうかで、wrongful life訴訟のような出生をめぐる倫理的課題の位置づけは大きく左右されるのである。
第二の作業は、当事者の「語り」という角度からこのような問題に迫ろうとするものである。本年度は、昨年度の「試行分析」を踏まえ、障害を持つ人の「語り」の聞き書きを開始した。その前提として、本年度修士講座に受け入れた障害を持つ学生の協力を得て、聞き書きに至るまでの信頼関係の構築方法や、聞き書きの具体的な進め方について検討を重ねた。その成果は、地域の障害者団体への協力要請や、新たな聞き書きを開始する際にもひな形として活用できるようまとめ、公表した。また、新潟水俣病訴訟の資料の中からも、妊娠規制を受けた女性やその家族の「語り」を抽出する作業を行った。
本年度はさらに、このような研究を背景として、日本の生命倫理の特質を考えるという、より大きな課題にも取り組んだ(共著『日本の生命倫理 回顧と展望』)。

報告書

(2件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 出生の評価と存在の価値-Wrongful life訴訟との関連を中心に-2007

    • 著者名/発表者名
      八幡英幸
    • 雑誌名

      先端倫理研究 2

      ページ: 41-51

    • NAID

      110006275514

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 資料解題 : 『坂東克彦資料 戦後日本公害事件史料集成』-新潟水俣病における妊娠規制について-2007

    • 著者名/発表者名
      八幡英幸
    • 雑誌名

      生命倫理を中心とする現代社会研究III(熊本大学拠点形成研究B報告書)

      ページ: 164-177

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 聞き書き : 障害を持つ人の誕生をめぐる「語り」-萌芽的実践-2007

    • 著者名/発表者名
      八幡英幸, 笹原八代美
    • 雑誌名

      生命倫理を中心とする現代社会研究III(熊本大学拠点形成研究B報告書)

      ページ: 178-188

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 「出生前の可能性」に関する思考の諸傾向(試行分析)2006

    • 著者名/発表者名
      八幡 英幸
    • 雑誌名

      先端倫理研究(熊本大学倫理学研究室紀要) 1

      ページ: 26-38

    • NAID

      110006272560

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 研究ノート:Wrongful life訴訟の問題圏(文献解題)2006

    • 著者名/発表者名
      八幡 英幸
    • 雑誌名

      生命倫理を中心とする現代社会研究II(平成17年度熊本大学拠点形成研究B報告書)

      ページ: 169-173

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [図書] 日本の生命倫理 回顧と展望2007

    • 著者名/発表者名
      高橋隆雄, 浅井篤, 加藤尚武, 粂和彦, 八幡英幸他
    • 総ページ数
      394
    • 出版者
      九州大学出版会
    • 関連する報告書
      2006 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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