研究課題/領域番号 |
17652007
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
佐藤 研 立教大学, コミュニティ福祉学部, 教授 (00187238)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 坐禅 / 禅 / キリスト教 / 瞑想 / 神学 / キリスト論 / 終末論 / 神 |
研究概要 |
1.ヨーロッパにおいて坐禅の修行・指導に関わってきたキリスト教的背景の人々の著作を読み続けた。また、2006年夏に、再び主としてドイツの禅道場(アイターン・ゾンネンホーフ、ミュンヘン・ヴァイヤルン)を訪ねて、昨年同様、数十人の人々との対話を繰り返し、彼らの坐禅修行のモチーフと現実とを追った。 2.世界において禅を指導している指導者らの会議(日本・二本松にて、三宝教団系)に出席し、その彼らの具体的な諸問題を聞き知った。また、花園大学教授・臨済宗師家の安永祖堂老師ら、外国人指導に関わる師家にインタヴューした。 3.昨年度開始したアンケート(職業、年齢、坐禅歴、宗教上の所属、および坐禅が「神観」「キリスト観」「聖霊観」「教会観」に及ぼした影響を筆記させる)を続け、かつ集積した。合計214名の返答が集まり、その分析と評価を行った。 4.こうして確認した事実とは、欧州キリスト教の精神的基盤が瓦解する中で、坐禅が、宗教的アンデンティティ喪失の危機を乗り越えるための必死の「草の根」運動となっていることである。それはキリスト教の中に留まっている場合も、またキリスト教信仰を持たずに行っている場合も同様と言える。前者の場合でも、キリスト教を大胆に再解釈し、換骨奪胎を行うケースが顕著であり、それはこれまでの「キリスト教」の観念枠を遥かに超える内実を持っている。逆に、坐禅をやったために明らかにキリスト教を放棄した例は、ほとんどない。要するに、欧州における坐禅運動は、教派横断的な、「下からの宗教革命」の様相を示している。 5.上記の研究の総括を、『禅キリスト教の誕生へ』と名付けた著作(岩波書店、2007年秋)にして出版する予定である。
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