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記憶の哲学再考による文化遺産保存の美学的基盤構築

研究課題

研究課題/領域番号 17652011
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 美学・美術史
研究機関筑波大学

研究代表者

金田 千秋  筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (80224624)

研究分担者 加藤 哲弘  関西学院大学, 文学部, 教授 (60152724)
前川 修  神戸大学, 文学部, 助教授 (20300254)
日高 健一郎  筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (30144215)
研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワード文化財保護 / 真正性 / 遺産学 / 記憶 / 修復 / 現前 / 古色 / 美的
研究概要

本研究は、ユネスコの世界遺産制度の代表される20世紀の文化遺産保護制度について、その将来のあるべき姿を問う意図のもとで、あえて20世紀初頭に光を当てようとするものである。研究過程は紆余曲折をたどり、その経緯を記すことははなはだ困難であるが、最終的には次のような結論を得ることができた。
まず研究に着手した時点でアロイス・イーグルの『記念物崇拝』(1903)の重要性は既知であったが、彼の記憶価値の理論を同時代の彼への批判者ゲオルク・デヒーオの記念物理論と照合し、彼等の対立点と暗黙の一致点を慎重に析出した。だが本研究の草案になるのはむしろ、両者の理論を近年重視の度合いの高まる真正性(Authenticity)の理論として読み直したこと、さらにその内容を、1)真理性(Truth)の持つ論理構造と比較しつつ、2)真正性の本質を(再認作用)に見たうえで、再認作用の普遍的構造を(剥製・人形・標本、物まね・足跡)に関する美学的考察と結びつけたことである。
こうして、一見無関係と見える3つの学問分野が真正性の問題をツウして接続されたと考えている。すなわち、20世紀初頭の現代的記念物保護思想の動藍期の文献の仮名に、<真正性の論理学>、<真正性の美学>、<真正性の遺産額>という3つの学問分野の萌芽が発見されたものであり、私をこれ自体顕著な成果であったと自負するが、さらにこの萌芽はまさに世界遺産思想の萌芽でも在ることが確認されたことの意義も大きい。(この研究成果は「真正性の倫理」と題する論文として近々公表する予定である。)
この研究の過程で、研究分担者加藤哲弘及び前川修とは数回の会合と電話などで、加藤からはリーグルの美術史家としての特性について、前川からは写真の記念物性について、それぞれ有効な助言を受け、同じく研究分担者日高健一郎からは弦細の修復の動向についての情報提供を得ることができた。

報告書

(2件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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