• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

西洋中世におけるイメージの複製と権力

研究課題

研究課題/領域番号 17652013
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 美学・美術史
研究機関名古屋大学

研究代表者

木俣 元一  名古屋大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00195348)

研究期間 (年度) 2005 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード複製 / イメージ / 刻印 / 権力 / 中世 / 印章 / 表象 / 記憶 / 西洋中世 / 美術史 / コピー / キリスト教文化 / 画像論 / イコン / 貨幣
研究概要

リスボンのグルベンキアン美術館所蔵の『ヨハネ黙示録』写本の、子羊が第6の封印を開く場面でキリストが掲げ持つ印章がそなえる意味について考察を進めた。現代においてと同様に中世においても、視覚のあり方は一様でなく、地域や文化、対象や状況などの条件により多様な視覚のあり方が共存し、競合していた。西洋中世において機能していた多様な「視」のあり方をとらえるため、西欧の伝統において印章と刻印の比喩がどのように用いられたかを複製と権力という観点から追跡した。この比喩は、古代ギリシア、おそらくはそれ以前から、記憶、認識、表象、イメージ、存在をめぐるさまざまな問題系列と連なる伝統的トポスであった。古代、ビザンティン、初期中世においては、刻印は機械的複製を生産するための特権的手段であった。そこにあっては、人間の手が画材や道具を媒介として描写や似姿を形成するのでなく、イメージは一気に機械的に成立する。母型を素材に押しつけたり、打刻するとある程度の順応性や可塑性を備えた素材は、母型とは凹凸と左右の反転した形象を痕跡として留める。母型自体では陰刻であるゆえにいささか不明瞭であったイメージは浮き出すように可視化され、より判読しやすく触知的感覚をいきいきと呼び起こす様態へと変換される。こうしたイメージ産出手段では、個人による技術的差異が関与する余地はほとんどなく、同一のイメージを限りなく作り出すことが可能となる。西洋中世においては複製を作り出すこと、その技術、個々の複製がイメージの生産や受容に関わる多様な局面で重要な役割を果たした。

報告書

(3件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007 2005

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 印章と刻印:西欧中世におけるイメージの隠喩(上)2008

    • 著者名/発表者名
      木俣元一
    • 雑誌名

      名古屋大学文学部研究論集 54

      ページ: 45-57

    • NAID

      120000976684

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [雑誌論文] 図像テクストの濃密性と体系性2007

    • 著者名/発表者名
      木俣元一
    • 雑誌名

      統合テクスト科学の地平

      ページ: 159-218

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書 2006 実績報告書
  • [雑誌論文] Le vitrail de saint Lubin a la cathedrale de Chartres : hagiographieet themes eucharistiques au debut du XIIIe siecle.2007

    • 著者名/発表者名
      Motokazu KIMATA
    • 雑誌名

      Histoire-Fiction-Representation

      ページ: 147-154

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [図書] Image et texte dans l'art religieux.2005

    • 著者名/発表者名
      Kimata, Motokazu et al.
    • 総ページ数
      144
    • 出版者
      Graduate School of Letters, Nagoya University
    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

URL: 

公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi