研究課題/領域番号 |
17652072
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大峰 真理 千葉大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (70323384)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2008年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 近世フランス / 国際商業 / ジャコバイト |
研究概要 |
本研究の目的は、アイルランド・カトリック信徒が近世フランス国際商業の発展に果たした役割を明らかにすることである。 最終年度であった平成20年度は、これまで収集した一次史料の整理と分類を継続し、前年度までに作成した「船舶艤装申告書一覧」の精度をさらに高め、複数の視座から図式化する作業を進めた。その結果、第一に、アイルランド出身のカトリック信徒が1650年代から1750年代前半までに移住・定着した地点を明らかにできた。第二に、彼らが関与した海上貿易について、約一世紀間の間にその対象地域や取扱商品が変化した様子を確認することができた。そして第三に、彼らのうちの一部は、貿易商人としてだけでなく、プランテーション経営や海上保険業務にも参入し、多角的事業者としてフランス国際貿易のダイナミズムを形成したことが判明した。 以上のことから、本研究課題が当初の目的としてきた、アイルランド・カトリック信徒による社会経済的ネットワークを再構成する作業の大部分は実践されたと考える。ただし、現在執筆中の研究論文は、推敲段階に達しているものの、投稿には至っていないので、早急に仕上げ、適切な研究雑誌に投稿する。また同時にこの3年間で完成した「船舶艤装申告書一覧」は、現地フランスの文書館でも作成されていないので、当該文書館と調整し、『史料目録』あるいは研究雑誌掲載の「史料紹介」として公表できるよう交渉中である。 以上の研究成果の公表は、これまで社会経済史研究において重要視されてこなかったカトリシズムと商業資本主義との連関性を指摘し、関連する研究諸分野に問題関心を喚起する一歩になると確信する。
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