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被侵害利益の主観化と不法行為法学の課題--セクシュアル・ハラスメントの衝撃

研究課題

研究課題/領域番号 17653009
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 民事法学
研究機関北海道大学

研究代表者

吉田 克己  北海道大学, 大学院法学研究科, 教授 (20013021)

研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード不法行為 / 被侵害利益の主観化 / 被侵害利益の公共化 / セクシュアル・ハラスメント / モラル・ハラスメント / PTSD / 椙害賠償 / 差止 / 被侵害法益の主観化 / 被侵害法益の公共化 / ドメスティック・バイオレンス / 損害賠償
研究概要

最終年度である今年度は、研究をまとめるための理論化に力を注いだ。
1)本研究の基本的問題意識である「被侵害利益の主観化」は、予想よりも拡がりを持っている。この知見は、昨年度も報告したところであるが、そこで報告したパワーハラスメントやPTSD、むち打ちなどの損害賠償法上の難問とされてきた問題に止まらず、民法以外の法領域でも同様の問題が見出されることがこの間分かってきた。たとえば、刑事法の領域での修復的司法への動向である。そして、このような状況は、社会学の領域でも注目され、<心理学化される現実>というように呼ばれていることも分かってきた。このような知見の獲得は、何が現代においてこのような問題を広汎に出現させているのかという新たな問いを提起することになる。
2)問題がこのような広汎な拡がりを持っていることは、問題への対処についても、損害賠償という限られた手法で考えることの限界を浮き彫りにした。本研究のテーマであるセクシュアル・ハラスメントの被害者にしても、損害賠償の獲得が自己目的なのではなく、加害者に対する制裁が適切に行われること、そのような行為の停止と再発防止こそが関心事である。それをどのような法的手法で行うことができるか。これが新たな問題として提示される。そして、問題をこのように把握すると、「被侵害利益の主観化」と「被侵害利益の公共化」の相互移行関係という昨年度報告した理論的知見の正当性が改めて確認されることになる。
このように、不法行為に基づく損害賠償についての理論的パラダイム転換を展望して開始された本研究は、不法行為を突き抜けてより広汎な理論問題に直面することになった。いまだ具体的な論文には結実していないが、この成果は、近い将来公表できるはずである。

報告書

(2件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2007 2006 2005

すべて 雑誌論文 (14件)

  • [雑誌論文] 著作権の『間接侵害』と差止請求2007

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 雑誌名

      知的財産法政策学研究 14号

      ページ: 143-190

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 婚姻外の男女関係の一方的解消と不法行為責任(最判平成16年11月18日判時1881号83頁)2006

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 雑誌名

      民商法雑誌 134巻3号

      ページ: 476-485

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] Legal education reforms in Japan-Their background, rationale and the goals to be achieved2006

    • 著者名/発表者名
      Katsumi YOSHIDA
    • 雑誌名

      Wisconsin International Law Journal Vol.24.No.1

      ページ: 207-222

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 『相続させる』旨の遺言・再考2006

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 雑誌名

      遺言自由の原則と遺言の解釈(日本私法学会シンポジウム資料)(商事法務)

      ページ: 32-58

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 賃貸借契約2006

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 雑誌名

      フランス民法典の200年(北村一郎【編】)(有斐閣)

      ページ: 399-437

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 『相続させる』旨の遺言と民法903条1項の類推適用(広島高裁岡山支決平成17年4月11日家裁月報57巻10号86頁)2006

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 雑誌名

      民商法雑誌 135巻2号

      ページ: 455-463

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 座談会 : 家族法の改正に向けて(上)(下)2006

    • 著者名/発表者名
      内田貴, 大村敦志, 角紀代恵, 窪田充見, 高田裕成, 道垣内弘人, 中田裕康(司会), 水野紀子, 山本敬三, 吉田克己(ゲスト)
    • 雑誌名

      ジュリスト 1324号1325号

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 近代市民法とジェンダー秩序2006

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 雑誌名

      ジェンダーの比較法史学(三成美保【編】)(大阪大学出版会)

      ページ: 105-133

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 賃料不滅額特約と借地借家法11条1項に基づく賃料減額請求2005

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 雑誌名

      判例タイムズ 1173号

      ページ: 109-115

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 競争秩序と民法2005

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 雑誌名

      北大法学論集 56巻1号

      ページ: 249-263

    • NAID

      130004972731

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 制限超過利息と貸金業規制法43条1項の適用2005

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 雑誌名

      ジュリスト臨時増刊『平成16年度重要判例解鋭』 1291号

      ページ: 72-74

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 景観利益の法的保護-《民法と公共性≫をめぐって2005

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 雑誌名

      慶應法学 3号

      ページ: 79-117

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 現代不法行為法学の課題-非侵害利益の公共化をめぐって2005

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 雑誌名

      法の科学 35号

      ページ: 143-149

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 環境秩序と民法2005

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 雑誌名

      北大法学論集 56巻4号

      ページ: 234-258

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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