研究課題/領域番号 |
17653018
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
理論経済学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
金子 守 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 教授 (40114061)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 他者の心 / 自己の反省 / 経験 / 社会的役割 / 社会的期待 / 社会的理解 / 社会観 / ナッシュ均衡 / 感情 / 理性 / 行動 / 規範 / 記憶 / 思い出 / 詩 / ゲーム理論 |
研究概要 |
本年度は本プロジェクトの2年目にあたり、本プロジェクトの基礎的部分から応用までを研究した。具体的には社会経済状況における個人の内的構造の形成・発展(進化)と、それらの社会経済への影響を研究した。まず、社会構成員の心的内的構造という概念を明確にした。ここで、個人の心的内的構造とは、理性(思考形式・思考規範)・記憶・信念・知識・行動基準・経済規範・倫理・選好・嗜好等々を意味する。これらの構造を明確にすると、多くの経済・ゲーム論の基礎的問題への接近が可能になり、より具体的な社会経済現象への応用も可能になる。また、これによって、これらの内的構造の社会的文脈における形成・発展も議論できるようになる。例えば、個人の社会経済規範や社会観の形成の考察ができるようになった。 本年度はとくに、「他者の心の経験からの理解」について研究し、大きな成果をあげている。具体的には、ゲーム的状況において、プレイヤーが経験をつみ、その経験から帰納的に社会観を形成し、また、それにより、他者の心を考える。その研究を著書『ゲーム理論家の酔夢譚:詩の饗宴』(勁草書房、2006年)として出版した。 これらの研究のレビューなどを受けるため、研究代表者は何度か国際集会に出席した。また筑波大学でゲーム論の国際集会を開催した。これらの集会で本プロジェクトを推進するために貴重なコメントをもらった。特に、ジョージ・H・ミードの社会学からの接近はこのプロジェクトに有効であることが分かった。他者の心を考えるのに自己の経験と考えを考慮して、さらに社会的役割を通して、他者と自己を関係づけられることが分かってきた。これらをまとめて論文を作成する予定である。
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