研究課題/領域番号 |
17653024
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用経済学
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研究機関 | 敬愛大学 |
研究代表者 |
和田 良子 敬愛大学, 経済学部, 助教授 (10316797)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 実験経済学 / リスク態度 / あいまいさ回避 / 主観的確率形成 / 不正確さ回避 / 動学的意思決定 / 期待効用理論 |
研究概要 |
2006年度は、静学的な不正確さ回避の計測を行った。 まず我々は主観的確率形成について、見通し(prior)を直接対象にしていては検証不可能との考えから、「不正確さ回避」の概念を導入した。そこでは客観的だが不正確な情報とそれに基づく主観的な各人の自信を分けることが可能であるため、実験による検証が可能となった。実験では不正確な情報で作られる箱と正確な確率(リスク)の箱についてどちらかを選んで賭けてもらう方法で、個人に固有な不正確さのレベルを測定した。特筆すべき点は「不正確さの箱」の作成方法にある。実験者による操作が不可能で、被験者と実験者の間で何が不正確なのかについて情報を共有できる箱を作る必要があった。そこで我々は、事前に被験者以外の学生から、複数の色で100個入った箱の中身の作り方について自分ならどう分けるかのアンケートを180人から集め、そこから1枚を実験後に選んでその結果に基づいて被験者の目の前で箱を作るという方式を開発した。この実験によって(1)個人によって不正確さ回避(または自信)の程度には個人差がある。(2)人々の主観的確率の形成は、α-maxminモデルのように、最悪のケースと最良のケースを線形でつなぐものでなく、より空間的であり、3次元以上の情報にも対応している。という結論を得た。 一定の結果が出た2006年9月の段階で、林貴志氏とともに研究結果をとりまとめた論文をWorking paperとした後、2007年に白桃書房から出版予定の研究叢書「Experimental Analysis of Decision Making : Choice over Time and Attitude toward Ambiguity」に掲載予定であり、その後の実験結果によってまとめなおした論文は、現在、Experimental Economicsに投稿し審査中である。
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