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19世紀前半期イギリスの経営学史研究

研究課題

研究課題/領域番号 17653035
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 経営学
研究機関埼玉学園大学

研究代表者

村田 和博  埼玉学園大学, 経営学科, 准教授 (00300567)

研究期間 (年度) 2005 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
2006年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワードイギリス / 経営学説 / J.S.ミル / C.バベッジ / J.モントゴメリー / A.ユア / 経営学史
研究概要

19世紀前半期イギリスの代表的な企業分析家であるJ.モントゴメリー(James Montgomery)、C.バベッジ(Charles Babbage)、A.ユア(Andrew Ure)、およびJ.S.ミル(John Stuart Mill)の経営学説を丹念に検討した結果、19世紀前半期イギリスにおける経営学説の特質として、以下の結論を得るに至った。
第一に、企業が激しい市場競争にさらされているという認識が共通して存在していることである。モントゴメリーは、イギリスとアメリカ両国の技術力、賃金、製造コストなどの比較検討を通じて、アメリカ綿製造業に対するイギリス綿製造業のコスト上の優位性が認められないと主張した。ユアはアメリカ製造業の台頭に危機感を持ち、労働時間の削減といった労働者階級からの要求をコストの増加を導くものとして退け、コストの増加は結果として失業や賃金低下を招くから、労働者階級の要求内容は労働者階級にとってむしろ利益とはならないことを力説した。また、バベッジとミルは市場競争を企業の変革を引き起こす契機になると理解している。
第二に、機械と大規模生産に対する関心が高いことがある。モントゴメリーは、機械の設置、配置、調整を管理者の職務として規定し、彼らに機械の調整方法やコストの計算方法を修得するよう求めた。生産の大規模化に関しては組織との関係が多面的に検討され、バベッジは工場の大規模化が分業を促進すると、ユアは工場の機械化が分業の廃止を促すと、さらに、ミルは企業の大規模化が分業または協働を促進する、と指摘していた。
最後に、彼らが法躍した時期にはラダイト運動に象徴されるような激しい労働運動が発生していただけに、労使開係に対する関心が高いことがある。労使の対立は、どうすれば解消できるのか。モントゴメリーは、労働者に対する公平処遇といった管理者の管理方法や資質に解決策を求めた。バベッジとユアは、労働者と雇主側の利益は本来対立するものではなく一致することを力説し、とりわけバベッジは、F.W.テイラーの科学的管理法に類似した経営管理法を提示することで労使協調の実現をねらっていた。ミルは労働者と資本家という二つの階級に分裂している限り、労使の対立を解消することは難しく、労働者階級は経済的・知的自立を求めてアソシエーションを結成すると見ていた。

報告書

(2件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] チャールズ・バベッジの経営思想2007

    • 著者名/発表者名
      村田 和博
    • 雑誌名

      『経営学の現在-ガバナンス論、組織論・戦略論-』(経営学史学会年報) 第14輯

      ページ: 209-220

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] J.S.ミルにおける企業分析とアソシエーション-C.バベッジの所説を手掛かりに-2007

    • 著者名/発表者名
      村田 和博
    • 雑誌名

      経済学史研究 第49巻第1号

      ページ: 53-68

    • NAID

      110009498216

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] J.モントゴメリーにおける管理者の役割2007

    • 著者名/発表者名
      村田 和博
    • 雑誌名

      埼玉学園大学紀要経営学部篇 第7号

      ページ: 47-57

    • NAID

      110007556976

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [雑誌論文] J.モントゴメリーの比較経営論2006

    • 著者名/発表者名
      村田和博
    • 雑誌名

      埼玉学園大学紀要 経営学部篇 第6号

      ページ: 75-88

    • NAID

      110007556959

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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