研究概要 |
2007年度は,6回にわたり旧栃尾市の中越地震の被災地を訪問し,2005年以来継続的に視察を行っている地域数カ所において,地域の祭りや行事などの現地視察と,区長や住民(従来と同じ人々)に対するインタビューを行った.また11月には,旧栃尾市の全85区の区長に対して郵送法による区長調査を実施した,区長調査は2005年より毎年行っているものの3回目であった.2007年度の区長調査では,前年からの各区の変化について問うとともに,特に,中越地震の復興基金の対策の1つである「地域復興デザイン策定支援」の,各区における これらの調査により,2005年の調査開始時点からの変化を質的・量的に捉えることができると考えられ,現在もこれらのデータについて分析中である. 本研究は,全体として,震災に伴うネットワークやソーシャル・サポートの変化と,それに伴う信頼感を含めたソーシャル・キャピタルの変化などに関心があるが,3年間を通じて,一通りのデータは集められたと考えている.2007年度には,2006年に収集したデータについて,3つの学会発表を行った(東北社会学会,日本社会学会,日本社会心理学会).2008年度以降も,2007年度およびそれ以前に収集したデータの分析を重ねながら,震災時のサポートに関わる知見を一般に向けて公開していくとともに,ネットワーク理論に関わる研究につい 3年間全体としては,データはおよそ予定どおりに集められたという点では計画どおりであった.しかし,個人のプロジェクトとしては,データ収集および一部の分析の発表だけで精一杯であった.分析については,まだすべきことが残されており,今後,しっかりと分析し成果を発表していく必要がある。
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