研究課題
萌芽研究
心理教育とリラクセーションおよびアクティベーション技法から構成されるストレスマネジメントの効果を唾液中コルチゾール(内分泌指標)、s-IgA(免疫指標)、αアミラーゼ(交換神経指標)、脳波α波(中枢指標)、心拍率(自律指標)を用いて評価することが本研究の目的である。本年度はビデオ視聴を用いたストレスマネジメント効果を評価した。喜劇映像6種と悲劇映像6種を選び、それぞれ約3分に編集したものを大学生10名に視聴させ、視聴前後の唾液中αアミラーゼ、コルチゾール、コルチゾンの変化を、笑いを誘発し気分を爽快にさせる喜劇系ビデオと怒りや悲しみを喚起し暗い雰囲気を惹起する悲劇系ビデオ条件とで比較した。その結果、喜劇系映像と悲劇系映像とで、反応パターンは異なり、唾液中αアミラーゼは喜劇系映像では視聴前後へと分泌量が急増した後、フォローアップ期間を経て元の水準に戻り、悲劇系映像では視聴によって増加傾向を呈した。唾液中ロルチゾールは、悲劇系映像視聴では増加傾向を呈したが、喜劇系映像では視聴後分泌量が低下した後フォローアップ期に回復した。収縮期血圧については、喜劇系映像視聴前後で変化は顕著ではなかったが、フォローアップ後に上昇した。αアミラーゼについては、「笑い」などのポジティブな感情がストレス解消によいという健康心理学上の理論と一致した。また笑いやポジティブ感情に伴う心身の活動よって、ストレス産物であるコルチゾールが消費されたと解釈できる。映像視聴中の収縮期血圧は概ね安定していたが、喜劇系映像視聴後で増加し、笑いに伴う運動が影響する可能性が示された。さらに11名の高齢者について落語視聴前後でαアミラーゼを分析したところ、分泌量は有意に増加し、収縮期血圧も増加したが、脈拍数は減少した。爆笑が交感神経系を興奮させた一方、脈拍を安定させるリラックス効果が認められたものと解釈したい。
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