研究課題/領域番号 |
17653124
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
特別支援教育
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
長南 浩人 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 助教授 (70364130)
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研究分担者 |
城間 将江 国際医療福祉大学, 教授 (80285981)
濱田 豊彦 東京学芸大学, 助教授 (80313279)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 人工内耳 / 聴覚障害児 / 音韻意識 / 音節分解 / 音節抽出 |
研究概要 |
標記研究に関わり、本年度においては、聴覚障害児の音韻意識の発達研究の文献研究を行った。その結果、聴覚障害児の音韻意識の発達は、やや遅れは見られるものの健聴児と発達の傾向は類似していること、また音韻意識が文字習得や読みの能力とも関連していることが1970から80年代の研究により明らかにされた。わが国の研究では、特殊音節の分解や音節抽出の反応において、文字のイメージを利用したと思われる聴覚障害児特有の様相があることもわかった。このことから、聴覚障害児は、健聴児と異なり、文字により音韻表象を形成していることが示唆された。今後の課題としては、FM補聴器や人工内耳の登場といった近年の聴覚補償技術の目覚しい進歩に伴い、現在の聴覚障害児の音韻意識の発達の様相を改めて検討する必要があることがわかった。 本研究は、このような状況においてわが国においても手術数が増加している人工内耳装用児を対象として、彼らの音韻意識の発達を検討することとしたものである。被験者は、5歳児、6歳児、小学校1、2年生であった。課題は、音節分解検査と音節抽出検査であった。その結果、人工内耳装用児は、拗音、拗長音、促音には補聴器を装用した聴覚障害児と類似した反応を示し、その他の音節には健聴児と類似した反応を示すことがわかった。以上の結果は、人工内耳を装用することにより知覚レベルでの聞き取りが改善され、このことが音韻意識という認知レベルの発達に関連することを示唆するものと解釈された。あわせて本研究の結果から音韻意識の発達における人工内耳の装用効果は限定的であることがわかり、その要因を明らかにすることが課題として残された。このことから、今後は人工内耳を装用した聴覚障害児の音韻意識の発達要因を言語学的側面、リハビリテーション工学的側面、教育的側面から検討し、人工内耳が聴覚障害児の言語発達に与える効果について検討する必要があると言える。
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