研究課題/領域番号 |
17654035
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
小櫃 邦夫 鹿児島大学, 理学部, 准教授 (00325763)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | リーマン面 / ケーラー計量 / アイゼンシュタイン級数 / モジュライ空間 / 漸近展開 / 特性類 / モジュライ / 双曲計量 |
研究概要 |
九州大学のL.Weng氏とシンガポール国立大学のW.-K.To氏との共同研究が完成し、論文はCommun.Math.Phys.に掲載決定した。その中で、Takhtajan-Zograf計量のモジュライ空間の境界近傍における漸近挙動を詳しく解析することに成功し、その結果、すべての境界近傍で、Takhtajan-Zograf計量はWeil-Petersson計量より真に小さいオーダーで挙動することを明らかにした。このことからすぐ従うことは、Mumfordらの定義したモジュライ空間上のdeterminant line bundleの第一チャーン類が、Mumfordコンパクト化したモジュライ空間まで、正のline bundleとして自然に拡張できることである。これについては、現在論文を準備中である。 また、S.Wolpert氏と共同で得た「Weil-Petersson計量の漸近展開の2次の項にTakhtajan-Zograf計量が現れること」を発見した論文の原稿はMath.Ann.にオンライン上ですでに掲載済みである。 これらの結果について、名古屋大学、東京大学、京都大学、熊本大学、岡山大学において講演した。リーマン面の退化族に対するEisenstein級数の漸近挙動の評価を改良した論文を投稿し、アーカイブ上において公開した。 Weil-Petersson計量はW.Thurston,Wolperにより測地線の分布密度との密接な関連が示されているが、研究代表者はP.Sarnakが点付きリーマン面上のホロサイクルの分布密度とEisenstein級数の関係を明らかにした研究に強い関心をもち、この文脈においてTakhtajan-Zograf計量の新解釈を与えるべく、努力を続けている。
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