研究課題
萌芽研究
今後の電波天文学で発展するサブミリ・テラヘルツ波帯では、ミリ波帯に比べて同じ速度幅を観測するのに観測周波数に比例した広い周波数帯域幅を同時観測できる電波分光計が必要である。また単一鏡で主流となりつつあるマルチビーム受信機を用いた観測では性能のそろった多数の電波分光計を必要とする。このような電波分光計では性能が安定且つ一定性能が要求される。そのため近年の電波分光計はデジタル分光計が主流となりつつある。しかしデジタル分光計は1種の専用計算機のようなものなので、従来は専用のLSIを組んでハード的に開発・製造を行っていた。しかし開発費が非常に高いこと、製造ラインは数年で廃棄されてしまうこと、分光点数などの性能に自由度が少ないことなどの問題があった。そこで本研究では、市販コンピユータの最近の急激な性能向上に着目して、ソフトウェアーで自由度の高い電波分光計を安価に開発した。受信機からの出力を1024MHzの高速時間サンプリングした観測データを2bitsでA/D変換し、データキャプチャーボードで32bits変換したあと市販パソコンに取り込む。パソコンの中でデータに窓関数をかけたあと高速フーリエ変換し、結果を2乗することによってパワースペクトルを得る電波分光計を実現した。周波数帯域幅は最大512MHzであり、分光点数は可変である。またこのソフトウェアー電波分光計を実際に望遠鏡に接続して天体を観測し、正しい電波強度が得られることも確認した。これによって、市販パソコンを用いたソフトウェアーデジタル分光計を開発することができた。
すべて 2006 2005
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