研究概要 |
ニュートリノ振動の発見とその混合角が最大に近いことから,深宇宙からのニュートリノの約1/3〜40%がタウニュートリノに変貌していて,新しい観測方法を与え,深宇宙からのニュートリノの発見能力を飛躍的に高めでいる。すなわち山などの物質で相互作用し,生成されたタウレプトンが空中で崩壊して大気シャワーを生成する。その現象をチェレンコフ光や大気蛍光で観測することによってとらえることができるそのための準備が進行中である。 そのような観測の成否を握る広視野高角度分解能望遠鏡の大量生産が進み,次々とハワイ島マウナロア山腹に設置されている。しかしながら現地では据え付けや光軸の調整,較正などに追われ,本格観測開始までには至っていない。 本研究では,後半からトリガー回路設計の第一人者,増田正孝氏を研究支援員として雇用することができ,チェレンコフ光の読み出しのためのトリガー回路の設計をほぼ終えることができた。また,大学院生の安田雅弘君がファインセンサーの設計をチェックし,大量生産の目処をつけた。本格的観測が開始される来年度以降の成果が大いに期待される。
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