研究課題/領域番号 |
17654058
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
芦田 昌明 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (60240818)
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研究分担者 |
石原 一 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60273611)
伊藤 正 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60004503)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 量子ドット / 光マニピュレーション / 超流動ヘリウム / レーザーアブレーション / ナノ材料創製 / ナノ構造形成 / 光制御 / CuCl |
研究概要 |
超流動液体ヘリウム中でレーザーアブレーションを行うことにより、ワイドギャップ半導体CuClの微粒子を作製した。昨年度の走査型電子顕微鏡観察によって、マイクロメートル程度以上の大きさのものの他、十から百ナノメートル程度のいわゆる量子ドットが存在することが明らかとなっていた。今年度はさらに、透過型電子顕微鏡(TEM)でも観測を行い、空間分解能を格段に向上させたところ、数ナノメートルの量子ドットも多数見いだした。また、格子縞が見られる程、結晶性のよい微粒子が数多く存在することも明らかとなった。TEM測定において、電子線回折像の解析やエネルギー分解X線分光による組成分析も行い、ナノメートルサイズの量子ドットがCuClであることを確認した。このように、ナノメートルサイズで結晶性の良いCuCl量子ドットの超流動ヘリウム中における直接生成に成功した。母体結晶中に担持さわたCuCl量子ドット以外には格子縞を伴った電子顕微鏡像が観測された例はなく、本実験は初めての結果である。 さらに、作製したCuCl量子ドットに、その励起子共鳴に相当するエネルギーをもったマニピュレーション光を照射し、輻射力による運動の制御を行った。昨年度はスペクトル幅の広いフェムト秒レーザーを用いて、数十ナノメートル程度の量子ドットをセンチメートル程度の距離に亘って、重力による沈降に打ち勝って移動させることに成功していた。今年度はマニピュレーション光として、一桁程度幅の狭いピコ秒レーザーを用い、量子ドットのサイズを選別できる可能性について調べた。この場合も昨年度と同様の光制御に成功し、さらに、輻射力によって移動できた量子ドットのサイズ分布がフェムト秒レーザーを用いた場合に比べて狭くなっていることが分かった。こうして、共鳴光による量子ドットの光マニピュレーションにおいて、サイズ選択が可能であることを初めて明らかとした。
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