研究課題/領域番号 |
17654059
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
保田 英洋 神戸大学, 工学部, 教授 (60210259)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 電子顕微鏡 / 物性実験 / 透過電子顕微鏡 / 電子銃 / その場観察 / ナノ粒子表面 |
研究概要 |
相転移・化学反応・分子間力などの原子のダイナミカルな現象に支配され、かつ、それを利用することによって技術の発展が期待されるナノ物質科学分野に新たな評価手法を提供することをめざし、透過電子顕微鏡に取り付けて高時間分解観察を行うためのパルス電子ビームを発生する電子銃を試作・最適化し、物質の構造変化を実空間および逆空間において高時間分解観察作することを目的とする。レーザーを陰極に照射したときの光電効果によって発生する電子ビームを利用した電子顕微鏡用電子銃を試作するために、電顕鏡体から導入した光を最上部の電子銃に到達させるための、ミラーとその傾斜機構について調整を行った。また、電子の引き出し電極にパルス電圧を重畳して印可することによって発生するパルス電子ビームの輝度について評価した。結果は以下にまとめられる。光電効果を利用して発生する電子ビームはエネルギーの単色性が低く、ビームの加速による電圧安定度の低下により像分解能の向上が望めないことが明らかになった。一方、ミリ秒からマイクロ秒領域の比較的長いタイムスケールにおけるパルスビーム発生については、メガヘルツ領域のパルス電圧を重畳して印可することによってパルス電子ビームを発生することができることが明らかになったが、結像系の記録速度の高速化が必要である。応用例として、ナノ粒子の相転移ならびにマルテンサイト変態のその場観察を行った。ナノ粒子に関しては観察倍率と輝度の関係から満足な結果は得られなかった。マルテンサイト変態に関しては、電子回折によって逆マルテンサイト変態や逆双晶変態を捉え、物質科学に関してこれまでにない新たな知見を得ることができた。
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