研究課題/領域番号 |
17654062
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小田 研 北海道大学, 大学院理学研究院, 助教授 (70204211)
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研究分担者 |
伊土 政幸 北海道大学, 大学院理学研究院, 教授 (90111145)
桃野 直樹 北海道大学, 大学院理学研究院, 助手 (00261280)
丹田 聡 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (80217215)
浅野 泰寛 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (20271637)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 銅酸化物高温超伝導体 / 巨大近接効果 / 擬ギャップ / 電荷秩序 / ボソン結晶 / ジョセフソン接合 / 隠れた秩序 |
研究概要 |
本研究は、銅酸化物高温超伝導体における巨大近接効果の起源を解明し、これを用いた新規なタイプのジョセブソン接合を作製することを目的とする。巨大近接効果には、高温超伝導体の特異な性質の一つである擬ギャップ状態が深く関わっていると考えられている。そこで本研究では、擬ギャップ状態の起源に関する知見を得るため、走査トンネル顕微鏡(STM)によりビスマス系銅酸化物高温超伝導体(Bi2212)の擬ギャップを詳しく調べた。その結果、特性エネルギーが擬ギャップである電荷秩序の存在が明らかとなり、擬ギャップは電荷秩序の形成によることが示された。また、この電荷秩序は、d波超伝導ギャップのノードから離れた、いわゆるアンチノード領域の電子状態が関わっていて、T_C以下の超伝導状態でも存続し、ノード付近のフェルミ面(フェルミアーク)領域の準粒子によって起こる超伝導(フェルミアーク超伝導)と共存することも明らかにされた。アンチノード領域の準粒子、あるいは、それらの対(インコヒーレントなクーパー対)が電荷秩序を担うと考えられるが、どちらに起因するかは今後明らかにされるべき大変興味深い問題である。さらに、本研究では、クーパー対の電荷秩序、いわゆる"ボソン結晶"が高温超伝導体で実現していると、これが低温で超流動性を示す可能性(固体超流動の可能性)のあることが指摘され、このことと巨大近接効果の起源との関連性が議論された。 これらの成果については、日本物理学会や高温超伝導に関する幾つかの国際会議で既に報告し、また、論文としてPhys. Rev. Lett.誌などに投稿した。
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