研究課題/領域番号 |
17654088
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体地球惑星物理学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中田 正夫 九州大学, 大学院理学研究院, 教授 (50207817)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 氷床変動 / 地球回転変動 / コア・マントル境界 / カオス / 極移動 / 差分回転 / レオロジー / コア・マントル結合 |
研究概要 |
氷床変動が内核-外核-マントルの差分回転に与える影響を評価し、差分回転を支配するオイラー方程式の中に、カオス的な脈動を生起する性質の有無を調べるのが本研究課題の目的である。 氷床変動をforcingとした内核-外核-マントルの差分回転において、境界での摩擦トルクの有無にかかわらず、マントルに対する外核と内核のEquatorial Rotationに、ほぼ周期200年の脈動が存在することを数値的に見いだし、この結果は2006年に国際誌に掲載された。この脈動の振幅はコア・マントル境界(CMB)でのトルクの大きさ(マントル下部の電気伝導度やCMBでの地球磁揚の強度による)や下部マントルの粘性率によるが、周期はこれらの値によらない。Axial Rotationは摩擦トルクを介してEquatorial Rotationとカップリングし、その結果、周期25年程度で振幅が2ミリ秒位のカオス的変動が見られた。そこで、カオス的な変動が現れやすいforcing項の弱い期間のモデル計算結果に関するカオス解析を数多く行ったが、カオスであるとの結論には至っていない。現在も解析中である。 しかし、これらの解析を通して非常に興味深い結果を得た。つまり、本研究では境界での摩擦トルクとして電磁カップリングを採用しているが、コア-マントル境界直下での動径方向の磁場の時間変化が、摩擦トルクを介して自転速度やチャンドラー運動に影響を与える可能性が示唆された。磁場変化に伴うCMBでの摩擦トルクは、外核上層部の運動方程式とCMB付近でのinduction方程式を解くことにより求められる。その摩擦トルクに対応する地球回転変動は、オイラー方程式を解くことにより求まる。つまり、これら3つの方程式をカップルさせたプログラムを開発し、現在コア-マントルカップリングの研究を行っている。
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