研究課題/領域番号 |
17654096
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地質学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鈴木 和博 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 教授 (90111624)
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研究分担者 |
加藤 丈典 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 助手 (90293688)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | CHIME年代測定 / 年代マッピング / モナザイト / ジルコン / 化学組成マッピング / 地質年代 / EPMA / CHIME年代測定法 |
研究概要 |
岩石中に副成分鉱物として含まれているモナザイトやジルコン等の鉱物粒子は、0.2mm程度のサイズの中に形成年代の異なる領域を含んでいることが多い。CHIME年代測定で各領域の形成年代を高精度で推定するためには、年代の2次元分布を視覚化して判別することが不可欠となった。そこで、本研究はCHIME年代の2次元マッピングを高速に実施するシステムを開発した。 (1)複数の分光結晶およびXe封入型比例計数管の特性を評価して,ウラン・トリウム・鉛等の重元素の分析に適したものを選別した。これによつて,各元素の計数効率が若干ではあるが向上し、1ピクセルあたりの分析時間を短くすることが可能になった。 (2)X線強度を複数の分光器で同時測定して積算するために、分光器の特性パラメーターを決定して分光器相互間の補正方法を開発した。これにより、濃度の低い鉛を、マッピングに必要な精度を維持して、短時間に測定することが可能になった。 (3)試料のコーティング物質を検討して、強い電子線照射による試料損傷を避けるために推奨されている金はCHIME年代に誤差を生じることを明らかにした。複数の分光器のX線強度を積算して分析時間が短縮(最短で1ピクセルあたり約2秒)できるため、従来通りのCHIME年代に誤差を与えない炭素コーティングでマッピングが可能であることを示した。 本研究で開発したシステムを数億年から1億年のモナザイトに適用し、200×200ピクセルの年代マッピングにおいても、1億年以下の年代を示すリムが約23時間の測定で識別可能であることを例示した。これは、当初目標の36時間より短く、本研究課題の目的は達成できたと言える。現在の装置制御コンピュータのクロック周波数は5MHzであるが、これを高速型に置き換えることにより、先カンブリア紀モナザイトの200×200ピクセル年代マッピングが6-10時間で実施できる見通しがついた。
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