研究課題/領域番号 |
17654101
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
掛川 武 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (60250669)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 海底熱水 / 微生物 / 鉱物相互作用 / 分子レベル / 金属錯体 |
研究概要 |
鉱物と始源生物の関係は古くから問われている課題であるが、未解決である。本研究では、海底熱水活動で無機物沈殿と化学合成細菌微生物マット形成が同時に起こっている試料を採集し、そこでの微生物生態層解析を遺伝子情報および酵素活性情報から規定することを目的とした。この解析により、そこでの微生物がどの無機元素を必要とするか限定される。更に無機物、金属-有機錯体、微生物-無機物界面をナノスケール・分子レベルで観察・分析を行うことも目的とした。それによって始源的生物が鉱物をうまく活用し生息している様子を具体化してゆくことを更なる目的とした。本研究を推進するためにJAMSTEC調査船による航海申請を行った。過去に掘削を行った南部マリアナの航海を行った。外国旅費は主に海域に移動するために用いられた。先年度調査を行った既に海底に設置されている海域からはずれ更に新しい海域に調査範囲を広げた。微生物が関与してマンガンを沈殿させる様子などが観察された。東北大学に試料を持ち帰り、その後試料は環境制御型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡などで観察し、様々な有機無機複合体を見いだした。これは昨年度採集された水曜海山の試料と合わせて行った。特に透過型電子顕微鏡でアモルファス鉱物中の生体必須元素の濃集形態が明らかになり、微生物との界面の観察が行われた。東北大学に新たに設置されたLC-MS/MSを用いて微生物由来金属-有機錯体(金属クラスター)を特定する分析を行った。分析条件の設定が予想外に困難であったが、当初目的にしたデータは見いだしたが、追加試験を行う必要はある。FT-IR、ラマン分光分析からも間接的にも有機金属錯体の存在がサポートされ,それらの成果は論文化の作業が進められている。
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