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イオン液体の凝固・融解過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17655004
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 物理化学
研究機関千葉大学

研究代表者

西川 恵子  千葉大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (60080470)

研究分担者 東崎 健一  千葉大学, 教育学部, 教授 (30102031)
森田 剛  千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (80332633)
研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
キーワード超高感度示差熱分析 / イオン液体 / 凝固・融解過程 / pre-melting / 回転異性体 / リズム的相変化 / 同時測定 / Raman散乱 / 磁性イオン液体 / 磁場効果
研究概要

イオンだけから構成されているにも関わらず、室温で液体である物質群「イオン液体」について、「なぜ融点が低いのか?」を解明すべく、我々は、凝固・融解過程の特質を詳細に調べた。nJの感度と安定性を有し、かつ準静的と近似できる熱変化を可能にした手作りの示差熱分析(DSC)装置を用いて、[BMIm]Cl、[BMIm]Br、[BMIm]FeCl_4、[isoPMIm]などについて、結晶⇔液体の相転移における詳細な熱物性の実験を行った。(BMIm: butyl-methyl-imidazorium、isoPMIm: iso-propyl-methyl-imiazorium)
[bmim]Brにおいては、10K以上にわたるpremeltingの存在が明らかになった。すなわち、premeltingはカチオン中のブチル基の回転異性体の構造変化を伴っている。しかも、多くのイオンが共同的に構造変化をしている。凝固過程のDSCトレースに現れたピークの割れは、ブチル基の立体配座がGTのものはすぐ凝固できるが、TT配座のものは、GT配座に構造を変えて凝固するため、時間的遅れが生じるためである。このように、凝固・融解過程は、共同的な内部構造の変化を伴っており、このことがイオン液体を凝固しにくくしている一因子であると結論した。準静的といえるほどの昇温・降温変化での実験で、凝固や融解がリズム的に起こっていることを見出した。酸化・還元反応が行きつ戻りつするリズム的化学反応はZhabotinsky反応が有名であるが、リズム的相変化は本研究で初めて見出された現象である。リズム的相変化をする。ユニットは、10^<11>〜10^<13>個程度のイオンであり、イオン液体に存在すると言われているドメイン構造の大きさを初めて定量化した。
熱分析は、何かが起こっているかは敏感に検知するが、それが何であるかの解答を与えてくれない。立体配座の変化に敏感なRaman散乱・DSCの同時測定装置を立ち上げ、種々のイオン液体の凝固・融解過程の研究に起用する準備が整った。

報告書

(2件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 熱物性から見たイオン液体2007

    • 著者名/発表者名
      西川恵子
    • 雑誌名

      現代化学(東京化学同人) 2007年3月号

      ページ: 22-27

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] Melting and freezing behaviors of prototype ionic liquids, 1-butyl-3-methylimidazolium bromide and its chloride, studied by using a nano-Watt differential scanning calorymeter2007

    • 著者名/発表者名
      K.Nishikawa
    • 雑誌名

      The Journal of Physical Chemistry (in press)

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [図書] イオン液体II-驚異的な進歩と多彩な近未来-"熱現象で観たイオン液体の特異性"(大野弘幸編、部分執筆)2006

    • 著者名/発表者名
      西川恵子
    • 総ページ数
      301
    • 出版者
      CMC出版
    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [図書] 熱現象で観たイオン液体の特異性「イオン液体II-驚異的な進歩と多彩な近未来-」(大野弘幸編)2006

    • 著者名/発表者名
      西川恵子, 東崎健一
    • 出版者
      CMC出版(印刷中)
    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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