研究課題/領域番号 |
17655010
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
城丸 春夫 首都大学東京, 大学院理工学研究科, 助教授 (70196632)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | エレクトロスプレー / ビームガイド / 差動排気 / 質量分析 / 誘導電荷 / 超微粒子 / 多価イオン / イオン蓄積 / 液滴 / ラテックス / 飛行時間測定 |
研究概要 |
昨年度に引き続き水およびメタノールを用いて、多価液滴の生成および電荷と飛行時間の計測を行った。大気圧下で生成した微粒子をそのままの大気圧で質量分析することは困難であり、何らかの差動排気系を構築する必要があった。一般に大気圧からの差動排気系は巨大なものとなりがちであるが、本研究では6極イオンガイドを組み込んだ細管を用いてイオンの輸送と差動排気系を製作した。ガス流でイオンを輸送する場合、静電レンズでは色収差が大きくて収束が困難である。一方イオンガイドは、イオンの透過率にドリフトエネルギー依存性がほとんど無く、広い質量範囲にわたってイオンを輸送できることが大きな利点である。1/4インチのステンレスパイプ中にピアノ線を組み込み、イオンガイドとして動作することを確認した。口径が等しい場合、パイプはオリフィスよりコンダクタンスが遥かに小さいため、パイプを圧力隔壁として利用すれば、効果的でビームロスがない差動排気系が構築できると期待される。本研究では1段で4.5桁の真空差を得ることに成功した。 ただし中間的圧力領域においてはイオンガイドにおける微弱な放電の問題が無視できないこともわかった。これは有効な差動排気のためにビームガイドを極端に細くしたためであり、若干オーバースペックになっていることから、サイズの変更を検討している。 なお、本研究の最終目的の一つは、生成した微粒子を静電型イオン蓄積リングに打ち込み、単一微粒子の計測実験に結びつけることである。リングにおける巨大イオンの制御についてはここ数年集中的に研究を続けており、いくつかの技術開発の成果は論文として発表した。
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