研究課題/領域番号 |
17655021
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
今村 平 北海道大学, 大学院理学研究院, 助教授 (90113521)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 自己組織化 / 超分子化学 / 合成化学 / ポルフィリン / 表面 / ボックス / ペンタポルフィリン |
研究概要 |
本研究目的は、ボックス空間の中心に各種遷移金属イオンを導入した新規ボックス型鋳体の固/液、固/気界面における、小分子との反応性、包接、酸化還元挙動を、STM(走査型トンネル顕微鏡)等を用いて、直接的に追跡することにより、これらの錯体の分子素子としての機能を明らかにすることにある。以下に2年間にわたる本研究の結果をまとめた。申請者は、四枚のロジウム(III)ポルフィリンを壁パネルとして持ち、中心に4-ピリジル基を有するピリジルポルフィリ.ンを持ったボックス型ペンタポルフィリン(1)を構築した。このボックスの中心に位置するピリジルポルフィリンにCo(II)イオンを導入した錯体(2)は可逆的な酸素分子の吸脱着を行うことを見いだした。さらに、このボックス型ペンタポルフィリン(1)が固体表面(金(111)基盤)上に規則的に配列することを見出した。また、ボックス型錯体(1)の単結晶X線構造解析にも成功した。この結果、極めて、興味深いことが明らかになった。金(111)表面上の錯体(1)は、ボックス型錯体の壁パネルであるロジウムポルフィリンを隣のボックス型錯体に順次貫入することにより、単結晶状態と比べてより密な配列をとることが明らかになった。引き続き、ボックスの中心に位置するピリジルポルフィリンに反応性に富むMoイオンを導入した新規ボックス型錯体の構築を進めたが、種々の試行にもかかわらず、単離はできなかった。しかしながら、上記の3次元形状をもったボックス錯体の金基盤表面への初めての配列の成功は、固体表面への機能性分子の組織化の研究にひとつの扉を開いたと考えている。
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