研究課題/領域番号 |
17655031
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分析化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
垣内 隆 京都大学, 工学研究科, 教授 (20135552)
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研究分担者 |
山本 雅博 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60182648)
西 直哉 京都大学, 工学研究科, 助手 (10372567)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 塩橋 / イオン液体 / 常温溶融塩 / 液間電位差 / 分配平衡 / イミダゾリウム / イミド / パーフルオロアルキルトリフルオロボレート |
研究概要 |
疎水性の常温溶融塩(イオン液体、以下RTMS)からなる塩橋を作成し、その性能を確認した。 まず1-Methyl-3-octylimidazolium bis(trifuluoromethylsulfonyl)imide(C8mimC1C1N)を塩橋とし、種々の電解質水溶液と接触させたときの電位変動を調べた。濃度が1mMから2Mの濃度範囲のKCl, NaCl, LiCl, HCl水溶液との界面の電位差は界面生成直後から1mV以内で長時間安定であった。RTMSをフッ化カビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体でゲル化してもこの安定性は不変であった。したがって、界面の電位差はC8mim^+イオンとC1C1N^-イオンの分配電位差で規定されており、このRTMSは予想通り概念的に新しい塩橋として働くことが実証されたのみならず、ゲル化によってもこの性質が損なわれないことから、実用的にも有用であることが明らかとなった。さらに、1mM以下の低イオン強度の水溶液と接した場合でも電位が安定であることから、既存の濃厚KCl水溶液の塩橋に比して、試料の汚染が少ないこと、メンテナンスに要する労力が飛躍的に軽減されること、広いイオン強度の溶液に対して安定な電位を示すこと、界面の形状に影響されないこと、など大きな利点を有することが証明された。 塩橋が示す電位を最適化することなどを目的として、他のイオンからなるRTMSについても、塩橋としての性能を比較検討した。アニオンをpentafluoroethylsulfonyltrifluoromethylsulfonylimideやbis(pentafluoroethylsulfonyl)imideとした場合も、上記のRTMSとほぼ同等の性能が得られた。また、perfluoroalkyltrifluoroborateについても、ほぼ同等の性能が得られた。
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