研究課題/領域番号 |
17655033
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分析化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
金田 隆 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (20243909)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | キャピラリーゲル電気泳動 / 抗原抗体反応 / タンパク質 / プロテオミクス / ウエスタンブロッティング / 生体分子 / バイオ関連機器 / 診断・検査 / キャピラリー電気泳動 |
研究概要 |
平成18年度は、先に報告した磁性粒子による特定タンパク質捕捉方法をキャピラリーゲル電気泳動法に適用した。タンパク質をキャピラリーゲル電気泳動で分離するためには、タンパク質をSDSにより変性させる必要がある。また、SDS存在下で、抗原抗体反応が起こるかどうかを明らかにしなければならない。そこでSDSにより変性させたタンパク質混合試料を、SDS存在下で抗体固定化磁性粒子と反応させ、抗原抗体反応が起こるかどうかについて検討した。変性タンパク質混合試料を、カルボニックアンヒドラーゼ(CA)の抗体を固定化した磁性粒子と反応させ、電気泳動を行ったところ、CAのピーク面積のみが減少した。このことから、SDS存在下においても、変性タンパク質は抗体と反応することがわかった。さらに、キャピラリーに二つの検出窓を設け、その間に抗体を固定化した磁性粒子を磁石により保持して、キャピラリーゲル電気泳動を行った。キャピラリーゲル電気泳動により三種のタンパク質混合試料を分離した結果、一点目の検出部では三つのピークが観測されたが、二点目の検出部ではひとつのピークが消失し、ふたつのピークのみが観測された。一点目の検出で得られた各ピークのマーカーに対する相対移動度を計算したところ、相対移動度と分子量の対数の関係には良好な直線関係が得られた。また、二点目で検出されたふたつのタンパク質の相対移動度の値を一点目で得られた結果と比較すると、消失したピークがCAであると同定できた。この結果は、タンパク質混合試料中のCAと磁性粒子の抗CAが特異的に反応して、CAのみが粒子上に捕捉されたことを示す。したがって、本手法は、ウエスタンブロッティングと同等の結果を迅速に獲得できるものであり、今後の発展が期待される。
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