研究課題/領域番号 |
17655049
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子化学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
英 謙二 信州大学, 大学院・総合工学系研究科, 教授 (60126696)
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研究分担者 |
鈴木 正浩 信州大学, 大学院・総合工学系研究科, 助手 (30334915)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | ゲル / 高分子有機ゲル化剤 / ゲル化剤 / 超分子化学 / 高分子有機ゲル |
研究概要 |
本研究では、L-アミノ酸誘導体を結合させた新規高分子化合物を合成しそれらの各種溶媒に対するゲル化能評価およびその応用研究について検討する。 平成18年度は、L-バリンやL-イソロイシンを基盤とした化合物の合成とそのゲル化能について検討した。まず、L-バリンおよびL-イソロイシンを出発物質として、末端にイソシアネート基を持つ化合物を合成した。NMR、元素分析、マススペクトル、FT-IRによって同定を行なった結果、各合成段階において90%以上の高収率で目的物質を得ることに成功した。これらのイソシアネート基を持つ低分子化合物を、末端にアミノ基やヒドロキシル基をもつポリジメチルシロキサン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールへ導入し、新規高分子化合物を合成した。 次に、合成した化合物を使って約40種類の油や有機溶媒に対するゲル化テストを行い、ゲル化する溶媒に関して最小ゲル化濃度を算出した。その結果、これらの高分子化合物が多くの有機溶媒を比較的少量の添加でゲル化できる優れた有機ゲル化剤として機能することがわかった。そして、低分子ゲル化剤と匹敵するかあるいはそれらより優れたゲル化能を示すこともわかった。さらに、ゲル化機構の詳細な検討は、電子顕微鏡観察(TEM-FE-SEM)、赤外吸収スペクトル測定、1H-NMR測定によって行なった。その結果、高分子ゲル化剤のゲル化は、導入した低分子ゲル化剤セグメントが超分子ポリマーを形成し、高分子セグメントは補足的な役割を果たしていることがわかった。言い換えると、高分子鎖に導入した低分子ゲル化剤部分がゲル化駆動部位として機能することで種々の溶媒をゲル化する。また、溶液からゲルへの転移やゲル強度測定をレオメーターによって測定し、ゲル強度とゲル化の関係について系統的な研究ができた。
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