研究課題
萌芽研究
典型的なドーナツ型POMに長鎖アルキルアンモニウムをカウンターカチオ:ンとして導入し、LB法およびスピンコート法により薄膜を作製し、これらの膜について、AFM等により引き続き構造評価を行った。その結果、LB膜では均一な層状構造が得られた。粉末X線から、ラメラ構造における面間隔を求めることができた。一方、スピンコート法により得られた膜においては、球状のナノドメインが観察された。そこで、出発物質の溶液について詳細に検討したところ、溶液内で均一なミセルを形成していることが判明し、その構造が膜構造に反映していることが分かった。製膜法を変えることにより、膜のナノ構造を制御することができた。POMに存在するモリブデンイオンの一部を鉄イオンなどに置き換えることで、 POMに磁性・導電性等の機能を付加することを目指した。通常のPOMにおいてはモリブデンスピン間に反強磁性的な相互作用が存在するため、磁気機能の発現はあまり望めない。一部のイオンを置換することで、巨大分子内に磁気モーメントを生じさせ、分子内の金属イオン間に強磁性的あるいはフェリ磁性的な相互作用をもたらす。本年度も引き続き、磁性イオンを共存させ、POMの合成を試みた。その結果、新たな構造をもつ巨大POMを合成することができた。特に、隣接するPOM間に共有結合を持つと思われる結晶が2種類得られ、詳細な構造評価を進めた。また、カウンターカチオンに磁性イオンを含む系について、物性評価を行った。
すべて 2006 2005
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