研究課題/領域番号 |
17655101
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子・繊維材料
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
君塚 信夫 九州大学, 大学院工学研究院, 教授 (90186304)
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研究分担者 |
安藤 玲子 九州大学, 大学院工学府, 技術職員 (60380599)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | たんぱく質 / マイクロカプセル / イオン液体 / DNA / ドラッグデリバリ / タンパク質 / イオン液 / 界面集積化 / 架橋反応 |
研究概要 |
本年度は、当初の研究計画に基づいて、イオン液体中において形成されたたんぱく質マイクロカプセルを一段階で水中へ抽出する技術の開発ならびにDNAなどの機能性分子の内包について検討した。 疎水性イオン液体中に牛血清アルブミン(BSA)の水溶液を加えると、BSAがイオン液体/水界面に吸着し、安定なマイクロ水滴(エマルション)が形成された。ここに純水を加え、イオン液体中において形成されたBSAマイクロカプセルの水中への一段階抽出を試みた。その結果、BSAは水相に抽出されたが、カプセル構造は崩壊することがわかった。そこで、グルタルアルデヒドによる架橋反応を行った後、同様に純水中への一段階抽出を試みた、その結果、BSAは水中には抽出されず、イオン液体と水の界面に凝集することがわかった。過剰に加えたグルタルアルデヒドを不活性化するために、エタノールアミン水溶液を用いて同様の検討を行ったところ、BSAマイクロカプセルを一段階で水中に抽出できることがわかった。また、チトクロムc,β-ラクトグロブリン,人血清アルブミンを用いた場合においても同様にマイクロカプセルを作製でき、水中へ一段階抽出できることがわかった。さらに、たんぱく質の添加濃度に依存して、マイクロカプセルのサイズを容易に制御できることを明らかにした。一本鎖DNAとβ-ラクトグロブリンの混合水溶液を用い、同様の手法によりカプセルを作製した結果、DNAがβ-ラクトグロブリンマイクロカプセルに内包できることがわかった。このように、本研究期間において、有機溶剤を使用しないクリーンなプロセスによって、たんぱく質マイクロカプセルを作製・回収する新しい技術を開発し、今後、ドラッグデリバリーをはじめとする様々な分野への応用が期待される。
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