研究課題/領域番号 |
17656002
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中嶋 一雄 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (80311554)
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研究分担者 |
藤原 航三 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70332517)
大平 圭介 北陸先端科学技術大学院大学, 助手 (40396510)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 高温加圧加工 / 半導体結晶 / 太陽電池 / X線用レンズ |
研究概要 |
本研究では、硬くて脆いSi結晶を、三次元的に自由な形状に変形加工するための加工条件(加工温度範囲、ウエハー厚さ、荷重、形状、面方位)を明らかにし、Si結晶ウエハーの高温加圧加工と形状ウエハー結晶の利用という新しい研究分野を拓くことを目的とした。また、三次元的に加工したウエハー結晶の太陽電池やX線集光レンズへの応用を検討した。 Si(100)およびSi(111)結晶について、加工条件(加工温度、加工荷重、ウエハー厚み)を変化させて系統的に加工実験を行い、それぞれの結晶において、最適な変形加工条件を特定した。この条件を用いれば、板状の結晶を半球状や波状など三次元的に自由な形状に加工できることを実証した。また、本高温加圧加工法により、さまざまな曲率を有する半導体結晶レンズの作製に成功した。本手法により作製したSi結晶レンズを用いて太陽電池を試作し、加工条件と変換効率の相関を調べた。Si結晶レンズ太陽電池の変換効率は、加工温度や加工後のアニーリングにより結晶内の転位密度を低減することにより改善されることを示した。このSi結晶レンズ太陽電池を集光レンズ型太陽電池として応用した新しい太陽電池システムを提案し、本システムを用いることにより、太陽電池の変換効率を向上できることを示した。さらに、この半導体結晶レンズの表面の結晶格子面が曲率にあわせて変形することを見出し、この特徴を利用することにより、本手法により作製される半導体結晶レンズがX線用の一点集光レンズに応用できる可能性を示した。 以上のように、本研究におけるSi結晶の3次元的加工という萌芽的な研究から、様々な応用分野への発展が期待できる成果が得られた。
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